ドコモのiPhone発売が国内スマホメーカーへ大打撃
今回の共同開発断念の背景には、国内外のスマホ市場における国内端末メーカーの存在感の低さがある。
スマホが台頭するまでドコモが携帯電話開発に大きな影響力を持ち、NECなどのメーカーは「ドコモファミリー」と呼ばれ、両者は密接な関係を築いてきた。しかし、スマホ普及を見越せなかったドコモファミリーはスマホ事業に乗り遅れ、先行する米アップルやサムスン、中国の新興メーカーに周回遅れの差を付けられ、対抗できるだけの力をつけられなかった。
ファミリーの「ドン」であるはずドコモもauやソフトバンクへの顧客流出が続く中、13年秋にはiPhone発売に乗り出した。これが国内スマホメーカーへの大きな打撃になった。NECがスマホ事業から撤退したほか、富士通にも以前のような勢いはなくなった。こうなると、3社にとって半導体開発そのものの意味が薄れ、そうなれば資金も集まらなくなる――というスパイラルに陥り、撤退も時間の問題と見られていた。