全国各地の市町村がこぞって制作しているご当地PRキャラクター、いわゆる「ゆるキャラ」。人気投票イベント「ご当地キャラ総選挙」や「ゆるキャラグランプリ」に参加するキャラも年々増え、ブームは終わる気配を見せていない。
そんな中、ゆるキャラに対し、タレントのマツコ・デラックスさん(41)が物申した。代理店がちゃんとしたデザインを作り、多額の税金を投じるなど「全くゆるくなくなっている」というのだ。
「『ちっともゆるくないゆるキャラ』に腹が立ちます」
マツコさんがゆるキャラに言及したのは、2014年3月5日放送のテレビ番組「マツコ&有吉の怒り新党」(テレビ朝日系)でのことだ。
視聴者から寄せられた怒りの投稿で、「『ちっともゆるくないゆるキャラ』に腹が立ちます(中略)他のキャラと差を付けるために『ゆるさ』を捨てるキャラまで現れているのですから本末転倒ではないでしょうか」というものが取り上げられた。
マツコさんはこの意見に同調し、
「最初はほら、デザイナーさんに頼むお金もないから。一応町役場で一番絵が上手いってされてる人が、名産品を何かむりやりくっつけておかしなことになっちゃったのがゆるキャラだったわけでしょ」
「(今は)お金持ってる自治体は代理店とか使ってすごいキャラを作ってるじゃない。一大プロジェクトでやってるから、何となくゆるキャラっていうカテゴリーでみんな言ってるけど、あれをゆるキャラって思ってる人っていなくない?」
と指摘した。
一方で「バカみたいな市長がつつくんだもん下を。うちにはゆるキャラないのか!とか言って。うちにはゆるキャラないのか!って言った時点でもうゆるくないよね」と、自治体の制作担当者にも同情を示した。
話は今大人気のゆるキャラ「ふなっしー」にも及んだ。
マツコさんは「(作ったのは)素人さんだけど、ゆるキャラを商売にしようってめちゃくちゃ計算してやったわけじゃん最初から」と、ゆるキャラとして独自のポジションを確立したふなっしーに感心しているようで、「あれで打ち止めだよゆるキャラは」と話す。
「だから今からは各自治体やめたらって思うんだよね。ご当地アイドルとゆるキャラは禁止。税金の無駄。各自治体明日から予算をそこに注ぐのはやめましょう。もっと大事なことにお金を使いましょう」
と「ゆるキャラ禁止令」を提案した。
伊集院光「ゆるキャラに予算を割くのはいいことみたいになってる」
昨今誕生した「ゆるくないゆるキャラ」については、これまでにも苦言が呈されてきた。
タレントの伊集院光さん(46)は、13年5月7日放送のラジオ番組「伊集院光 深夜の馬鹿力」(TBSラジオ系)で、「ゆるキャラ」は元々「皮肉6割、間抜けなものをやる地方自治体を笑っていこうっていうスピリット4割くらい」で命名されたのではという考えを示した上で、
「完全な褒め言葉としてゆるキャラはとらえられた上に、昔にも増しておそらく税金とか投入されてるよね。その中にくまモンみたいな、もはやゆるキャラじゃないちゃんとしたデザインのキャラクターみたいなのも出てきて、税金を投入しただけの効果も生んじゃったりするから、まぁややこしい。ゆるキャラに予算を割くのはいいことみたいになってる」
と指摘した。
人気投票イベントでは、「組織票」や「不正投票」など、全くゆるくない疑惑もささやかれている。
13年実施の「ご当地キャラ総選挙」では、兵庫・高砂市のキャラクター「ぼっくりん」に、1人が制限回数を超えて投票した疑いが浮上。ぼっくりんが主催者側に選挙辞退を申し入れる騒ぎがあった。
東京・北区の非公式キャラ「きたパン」は、13年の「ゆるキャラグランプリ」投票期間中、静岡・浜松市の人気キャラ「家康くん」について「どうせバックに広告代理店がいるんだろうなー いいなー」というようなツイートをしていた。