2014年2月5日にツイッターでぬるっとデビューし、その9日後には立体化も果たした、J-CASTニュースのイメージキャラクター「カス丸」。普段はカス丸を「零細プロジェクト」として扱い、冷たい視線を投げかけているボスから、何と「デビュー祝い」として「全国百貨店共通商品券」5000円分がプレゼントされた!
「きゃすぅ~!珍しくボスが優しいじぇい☆何買おっきゃすな~、財布かな、カバンかなっ♪」
うきうきするカス丸の後頭部を小突き、ボスが一言。
「何言ってんだ。会社がお前をデビューさせてやったんだ。今すぐ会社のためになるもん買って来い」
穏やかな微笑みに戦慄したカス丸、「きゃすすすすすぅぅぅ~!」という謎の叫びを残し、会社を飛び出したのであった…。
「食品フロア」の文字に釘付け
カス丸がたどり着いたのは松屋銀座店。14年5月に開店88周年を迎える、東京・銀座を代表する老舗百貨店だ。
きらびやかな店内にテンションは上がるも、安月給のカス丸にとってはいかんせん慣れない場所だ。どの売り場にどんな商品があるのかも見当がつかず、「会社のためになるもんって何きゃすか…」と、フロアマップの前で途方に暮れてしまった。
うなだれるカス丸の目に、ある文字が飛び込んできた。B1階、B2階の「食品」フロアだ。
「食品…!」見慣れた(しかも大好きな)単語を目にした安心感から気がゆるんでしまったのだろう。「ちょ、ちょっと立ち寄ってみるだけなら、問題ないきゃすよな!」そう自分に言い聞かせ、カス丸は下りエスカレーターに飛び乗った。
5000円を食品売り場で使い切る!
まず下り立ったのはB1階、惣菜や和洋菓子が並ぶフロアだ。普段はデパ地下に縁がないだけに、目に映るもの全てが世界一美味しい食べ物に見える。
「う~ん、5000円もあるし、ちょっと使っても大丈夫きゃすよな?」
よからぬ考えが頭をもたげるカス丸の目の前に、フランス菓子店「シェ・シーマ」が。「銀座はちみつシュー」は松屋銀座店限定で、1日10個ほどしか販売しないらしい。
「いつ買うか? 今きゃすぅ!」
ちょっと懐かしい言葉をつぶやきながら、ボスから託された商品券はまずシュークリームに消えた。
続いて見つけたのは「おこげ本舗」。栗きんとんの製造工程でとれる「おこげ」をヒントに、野菜や果物で作ったおこげをスイーツとして販売している。ここで1番人気という「塩とうもろこし」と、「お酒のおつまみにもなりますよ!」と勧められた「ぴり辛ピーマン」を購入した。
そろそろ上の階に行ってみるか…と思ったところで、意外な出会いが。
「おお!キティ先輩!こんな所で何やってんきゃすか!」
全く面識がないのにカス丸が勝手に「先輩」と慕うハローキティが、「山本海苔店」が販売する「のりチップス」のパッケージに描かれていた。
「先輩を置いて行けないきゃすよ!」実際はただ食べたいだけなのだが、義理を立てたふりをして「うめ味」をお買い上げ。
ランチ用に「ブランジェ 浅野屋」で季節限定のハート型のパン「メープルウォールナッツ」も購入し、B1階で2000円分を使ってしまった。
「3000円あれば会社にお土産買えるきゃすな☆」と言いつつなぜか1階下ってB2階の生鮮食品フロアへ。カス丸は犬だけあって、肉が大好きだ。
「うわぁ~!!たまらんきゃすぅ~☆」
鮮やかな赤身の色が、どうやらカス丸に我を忘れさせてしまったらしい。宮城県産仙台牛のサーロインステーキをお買い上げしたのだが、何とここで残りの商品券を使い切ってしまったのだ。
ソラトニワGINZAで戦利品を完食
大荷物を持って満足げに歩くカス丸に、通りがかったクルーの女性が声を掛けてくれた。
「屋上のソラトニワGINZAでお休みして行きませんか?」
ソラトニワGINZAは、松屋銀座の屋上にあるフリースペースだ。イベントなどが行われるほか、テラス席は飲食や休憩に利用できる。
「歩き疲れたしお腹も空いてるし…断る理由がないじぇい☆」
春を感じさせる日差しの下、久々に優雅なランチタイムを楽しんだ後、カス丸は軽やかな足取りで会社に戻って行った―。
と、ここで終わるわけにはいかない。カス丸が出発前、ボスに言われた言葉を覚えているだろうか。
「会社のためになるもん買って来い」
すっかり忘れて自分だけ満足して帰ってきたカス丸が、ボスの顔を見て元々青い顔をより真っ青にしたのは言うまでもない。