2002年と2011年の2度にわたって大規模なシステム障害
みずほにとってシステムは負の歴史でもある。何と言っても2002年と2011年の2度にわたって大規模なシステム障害を起こし、2度とも金融庁から業務改善命令を受けたことが経営の痛手となっている。その都度、「旧3行の縄張り意識が強く経営に一体感がない」ことが背景にあると指摘された。
2002年の障害は、持ち株会社傘下の旧「みずほ銀行」と旧「みずほコーポレート銀行」のうち、旧みずほ銀行で起きた。当時の旧みずほ銀行は、旧富士と旧第一勧業のシステムを併用しながら少しずつ旧第一勧業に一本化する最中。この一本化の完了は2004年12月まで待たねばならなかった。それでも3つのうち2つの統合だ。
旧みずほ銀と旧みずほコーポレート銀は2013年7月に合併し新たな「みずほ銀行」となった。しかし、旧第一勧業と旧日本興業の2系統のシステムを生かし併用する状態のまま。それでも合併前日には、本社勤務のほとんどの行員が社内や近くのホテルに泊まり込んで万一のトラブルの備える念の入れようだった。「過去2度起こしたトラブルの再来は決して許されない」(みずほ幹部)からだ。