インターネット掲示板・2ちゃんねるの書き込みを「転載禁止」とする流れが拡大する中で、別の掲示板が急激に投稿数を伸ばしたことで注目されている。その名も「おーぷん2ちゃんねる」だ。
「まとめサイト」などに自由に転載可能なのが売りで、見た目は本家2ちゃんねるにそっくり。投稿を使えずコンテンツ不足にあえいでいた一部まとめサイトが、転載元として利用し始めた。
「著作権を放棄しパブリックドメインとして公開」
「転載禁止騒動」が発生するまでは、まとめサイトによる2ちゃんねるの書き込みの利用は当たり前のように行われていた。しかし、2014年2月下旬ごろから転載禁止のローカルルールが様々な板に広がり、トップページからもプリントアウト・コピー・無料配布を認める「自由利用マーク」が取り除かれた。
こうした事態を受けて転載自由な掲示板を求める層が、2ちゃんねるに似た機能を持つ「おーぷん2ちゃんねる」の利用を始めた。「まとめサイト」などに書き込みを自由に転載できるのが特徴で、サイトの入口ページには、
「おーぷん2ちゃんねるの投稿は著作権を放棄しパブリックドメインとして公開しています。まとめブログやウェブサイト上で自由に転載・創作を行えます」
と書かれている。
板の名前は「ニュース速報(VIP)」や「ニュース速報+」、「なんでも実況(ジュピター)」など本家を踏襲し、サイトデザインも似通っている。ほとんど本家と同じように利用できる。
もともとは2012年6月に、嘘ニュースサイトの虚構新聞が、あらゆる転載が認められる「転載ちゃんねる」ができたというネタを記事にしたのを受けて、その直後にエンジニアの矢野さとる氏が本当に作ってしまったサイトだ。矢野氏はネット上の犯行予告を集約するサイト「予告.in」の制作者として知られる。
当時、大手まとめサイトがデマを流したことで問題となり、2ちゃんねるの運営が「やらおん」「ハムスター速報」「はちま起稿」「オレ的ゲーム速報@JIN」「ニュー速VIPブログ」に対して、2ちゃんねるの転載禁止を言い渡して話題になっていた。今回の騒動は特定のまとめサイトだけが対象ではなく、板ごとに転載禁止のローカルルールが定められており、影響を受けたサイトの数ははるかに多い。