竹島の地図表記、米国で「併記」の動き 韓国メディア「日本に悪用される」と警戒

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尖閣諸島と北方領土も中国、ロシアの呼称並べる

   CRSの報告書に掲載された地図で併記されていたのは、実は竹島と「独島」だけではない。先述の2013年8月2日付の資料を見ると、沖縄・尖閣諸島は、中国名の「釣魚島」と、さらに北方領土も「クリル諸島」というロシア名と、いずれも並んでアルファベットで表記されている。北方領土については「1945年に旧ソ連が占領、ロシアが実効支配しており日本が返還を要求」という注釈がついている。竹島と尖閣諸島については、このような記述は見当たらない。

   CRSの真意は不明だが、近年になって火種となってきた竹島と尖閣諸島は、関係各国の間で波風が立たないようにと日中韓それぞれが主張する呼称を等しく用いただけかもしれない。

   一方、こちらも韓国が攻勢を強めている日本海の名称について、CRSの報告書では「日本海(東海)」との書き方で、韓国側が主張する呼称は併記ではなく「カッコ」の中に収められた格好だ。

   日本政府はこれまで、竹島問題の解決のため国際司法裁判所への付託を検討してきた。ただし付託は、当事国すべてが共同で行わないと認められない。過去3回にわたる日本側の呼びかけにも、韓国は拒否し続けてきた経緯がある。

   朝鮮日報は、米国での「併記」の動きについて、竹島問題を「国際紛争化に悪用するのでは、と懸念されている」という言い回しで報じた。安倍晋三首相は1月30日の参院本会議で、国際司法裁判所への単独提訴を含め検討していると述べた。韓国としては、日本に加えて米国からも「外堀」を埋められれば、いずれ共同付託に応じざるを得ない、それは避けたい――。こんな思惑が、朝鮮日報の「国際紛争化に悪用するのでは、と懸念」という表現から読み取れる。

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