柏市通り魔容疑者、なぜ「チェックメイト」? 「デスノート」「相棒」「怪盗ジャンヌ」など人気作主人公の「決め台詞」が影響か

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   「チェックメイト」――。千葉県柏市通り魔事件で逮捕された竹井聖寿容疑者(24)が任意同行を求められた際に口にした言葉だ。チェスの用語で「王手詰み」を表す。

   日常で使う機会はあまりないものの、主人公の決め台詞になっている人気漫画やドラマがあるだけに、インターネット上で一際注目を集めている。

容疑者は「チェックメイトされた側」だが…

   2014年3月3日深夜、会社員の池間博也さん(31)が刃物で刺されて死亡するなど男性4人が次々に襲われた今回の事件。捜査本部が強盗殺人の容疑で5日に逮捕したのは、現場から20メートルほどしか離れていない、池間さんと同じアパートの住人、竹井容疑者だった。逮捕前日は、隠れたり、部屋に閉じこもったりするどころか、目撃者を装って報道陣のインタビューに長々と応じていたから驚きだ。6日の各報道によると、竹井容疑者は4件の事件すべてについての容疑を認め、「金がほしかった」「感情が高ぶった」などと供述しているという。

   逮捕報道を受け、インターネット上は竹井容疑者の話で持ちきりとなった。Yahoo!急上昇ワードやTwitterトレンドには、竹井容疑者の名前のほか、任意同行される際に叫んだ「ヤフーチャット万歳」(Yahoo!メッセンジャーのチャット機能で、3月26日にサービスが終了する)、本人のものとみられるニコニコ生放送のアカウント名、そのプロフィール欄に書かれていた「セレブニート」という言葉などがランキングにあがった。

   そしてもう一つ、注目を集めているのが「チェックメイト」という言葉だ。5日朝、自宅マンションで捜査員から任意同行を求められた際に、玄関先でその言葉をこうつぶやき、「分かりました」と素直に応じたという。だが、チェックメイトは相手を追い詰めた側が使う「勝利宣言」であり、今回の竹井容疑者はチェックメイトされた側である。おそらく「ゲームオーバー」といった意味合いで使ったのだろう。

「これだからオタクは…とかまた言われんじゃないか」「デスノートか」「ジャンヌなの?」「相棒の見過ぎ」

   チェス人口の少ない日本では、本来ならば広く知られる言葉ではなさそうなものだが、近年では人気漫画やドラマで使用される例もある。竹井容疑者が意味をよく知らないまま使用したのも、こうした作品の広がりによって、耳馴染がある言葉となっていたからかもしれない。

   作品例を挙げると、アニメ版や実写映画も人気を博した小畑健さんの少年漫画「DEATH NOTE(デスノート)」がその一つだ。名前を書かれた人間は死ぬという死神のノート「デスノート」を使い、犯罪者に死の制裁を下す天才高校生の夜神月(ヤガミ・ライト)通称キラと、世界一の名探偵・L(エル)の頭脳戦を描いた作品で、チェックメイトは決め台詞として作中、度々使用されている。

   少女漫画では、種村有菜さんの人気作「神風怪盗ジャンヌ」がある。女子高校生・日下部まろん扮する「怪盗ジャンヌ」が美術品を鮮やかに盗み去り、絵画にひそむ悪魔を退治するという内容で、彼女の決め台詞もまたチェックメイトである。また、人気刑事ドラマ「相棒」で水谷豊さんが演じる杉下右京はチェスの名手であり、チェスが謎解きの鍵となった2008年公開の劇場版では杉下がチェックメイトを告げるシーンが印象的に描かれていた。

   インターネット上ではこれらの作品を思い浮かべた人も少なくないようで、「柏通り魔の『チェックメイト』って、神風怪盗ジャンヌなの?」「ジャンヌしか思い浮かばなかった」「相棒の見過ぎじゃね?」「『チェックメイト』言っていいのは杉下右京が追っかけるくらいの犯人だけで、この程度で足がつく犯人は使ってはいけないと思う」といった声があがっている。

   特に、本人とみられているニコニコ生放送のプロフィール欄に書かれた「悪を持って悪を制する信念と正義を持っております」「平和な世を作るべく私は悪を喧嘩で成敗します」などの記述から、デスノートの主人公を連想した人たちは多かったようで、「厨二っぷりやばい。デスノートか」「悪を悪になって成敗するとかさwチェックメイトとかさwwwキラかよw」「デスノートの見すぎとかこれだからオタクは…とかまた言われんじゃないか」などとコメントしている。

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