「新華社通信の配信記事に準拠しなければならない」
パリに本部を置く国際ジャーナリスト集団「国境なき記者団」(RSF)は3月4日、事件に関連して「検閲」が行われているとして非難する声明を発表している。声明によると、中国国務院報道弁公室が中国メディアに対して出した通達は、以下のようなもので、独自取材と出稿を事実上禁じるものだ。
「新華社通信の配信記事か地方政府が提供した情報に準拠しなければならない。事件を大見出しで扱ってはならない。陰惨な写真を掲載してはならない」
RSFの声明では、中国語版ツイッターにあたる微博(ウェイボー)で流れている、
「まるで昆明では何も起こらなかったかのようだ」
「微博や微信(ウェイシン、メッセンジャーアプリ)がなければ、中央テレビ(CCTV)の夕方の番組みたいな幸せな世界にいられたのに」
といった皮肉を紹介しながら、
「当局に対して、事件と捜査の進展に関する完全な透明性を保証するように求める」
と求めた。
だが、微博も当局の規制を逃れることはできない。事件現場に居合わせた人のツイートや、現場の生々しい写真は今でも見ることができるものの、政府を批判する内容は続々と削除されている模様だ。結果として、事件関連では犠牲者を追悼したり、犯行グループを非難したりする内容のツイートが目立っている。