「議事運営で独断専行が目立つ」との指摘
過去の慣例を無視する米倉氏については、以前から「会長・副会長会議などの議事運営で独断専行が目立つ」との指摘があった。一連の人事もその延長線といえるが、経済界には「自ら財界に影響力を残そうとの画策にしかみえない」という声も上がっている。
退任する中村氏はかつて「めざしの土光さん」と親しまれた土光敏夫会長の政策秘書などを務めた。会員企業などからは「有無を言わせず寄付を強要する」との声が出聞こえるなど毀誉褒貶相半ばするが、経団連の現職幹部からは「10年に一人の大物総長」と呼ばれていたのも事実。後任事務総長と目されている久保田政一専務理事(60)は政策通として知られるが、押し出しが弱く、くせのある政界などとのパイプ役を果たせるかは未知数だ。
「地盤沈下」の声がやまない米倉経団連だが、会長が独断専行しようと、用意周到に根回ししようと、一般国民にはほとんど関係はない。だが、内紛ばかりが目立つようでは「財界不要論」を払拭するのはままならないだろう。