地元密着の店舗づくり
続いてIKEA立川のストアマネージャー、イェンス・イスラエルソン氏が店舗概要を説明した。品揃えは他の店舗と同じだが、レイアウトは大きく異なるという。また立川駅は中央線のほか複数の路線が乗り入れるターミナルで人や交通量が集中する地域のため、既存の店舗とは「異なる商圏」のとらえ方をしていると語る。
店舗面積は、東京ドーム(4万6755平方メートル)に少々及ばない約4万平方メートル。太陽光発電などの自然エネルギー設備も設置され、地中熱エネルギーで店内の空調をまかなえるほどだという。ちなみに、イケアでは2020年までに再生可能エネルギー100%依存化を目指しているそうで、このような取り組みはその一環だそうだ。
電車利用の場合、もっとも気になるのは「荷物」だ。ついショッピングが楽しく買い込んでしまっても、駅に向かう途中で「この荷物、網棚に乗るかなあ」などと思い気がめいるかもしれない。その点、IKEA立川では配送サービスに力を入れている。
これまでの店舗では大きな商品を買った時に、会計、受取、配送受付と3つの手順を踏む必要があったが、IKEA立川ではそれらが1か所にまとまっている。機械に商品をかざし、出てきた紙を配送カウンターへ持っていくだけで手続きは終わる。料金や配達地域の「ゾーン」は未定だが、公共交通機関で訪れた場合には割引などの特典を予定しているという。
地元密着もIKEA立川の特徴だ。快適な暮らしへのヒントを知ることができる「ルームセット」をつくるにあたり、立川市内の50世帯を調査。またコワーカー(イケアでは従業員をこう呼ぶ)約500人のうち、8割は立川市とその近隣の在住者だという。カス丸は「満員電車に長時間乗らなくていいのはうらやましい」とこぼしていた。
内覧会を終えレストランに立ち寄り。ちゃっかり軽食をごちそうになった。スモーク・サーモンに舌鼓を打ちながら、「ワインが飲みたい」などと不遜な駄々をこねるカス丸を尻目に、記者は立川駅へと向かうのだった。