愛用した10台のベンツはすべて防弾仕様
藤本氏の証言で目立つのが、正恩氏の贅沢な生活ぶりだ。例えば7歳の時にはメルセデス・ベンツを買い与えられて、運転方法の指導を受けている。それ以来、正恩氏は10台以上ベンツを使っており、すべて防弾仕様だったという。14歳の時には専用ヨットでタバコを覚え、ジェットスキーも楽しんだ。ただし、正恩氏にとって、喫煙が唯一の両親に対する隠し事だったという。お気に入りのブランドはイヴ・サンローランで、10代の早い時期からロシアの最高級ウォッカを飲んでいた。1瓶をひとりで全部飲んでしまうこともあったという。最近のお気に入りはボルドーの赤ワインだそうだ。
また、北朝鮮の食糧事情が悪化している時期に、藤本氏は東京に魚を、北京にビッグマックを買いにいくように指示されたという。
正恩氏の女性に対する関心度も明らかにされた。父親の正日氏は、正恩氏は女性に興味がないとばかり思っていた。ところが正恩氏が18歳の時、いわゆる「喜び組」を知ったときは、正恩氏は藤本氏のもとにやってきて、
「この子は本当に胸がでかい」
などと話したという。藤本氏は張成沢氏の処刑の理由として、張氏が喜び組と不適切な関係を持ち、正恩氏が激怒したことを挙げている。正恩氏は18歳の頃から喜び組にご執心だった可能性もある。