「救いのようがない」「文才ある」と賛否両論
一方で、穏やかな口ぶりに合わず、皮肉たっぷりに特定の人物を非難したこともある。死刑判決後、事件関連の本が相次いで出版されたが、木嶋被告はその中でも「別海から来た女」を書いたノンフィクション作家の佐野眞一氏をやり玉に挙げている。「彼は、過剰な人の心の闇や血脈だのに拘泥し過ぎるあまり、大切なことを見失っている」「取材対象をいかに口汚く罵ることができるかに全精力を注ぐ下品な芸風」と酷評し、下のような「感謝の辞」さえ贈っている。
「ジャーナリストとして活躍する取材記者を何人も使って、著名なノンフィクション作家が、私についてあの程度の本しか書けなかったことは、自叙伝を執筆する時の励みになりました」
さらにもう一人、木嶋被告の100日裁判を傍聴して「毒婦。」を書いた文筆家の北原みのり氏にも反論する。こちらは名指ししていないものの「『毒婦』ライター」と呼んでいることから北原氏であることは明白で、木嶋被告は北原氏を「木っ端ライター」と呼び、「彼女が私に関して語ることの7割は、事実じゃありません」「彼女の取材能力は限りなくゼロに近い」と書く。さらには「フラれた恋人に付きまとうストーカーみたい。片思いの恋愛が成就しなかった人、と言った方が正しいかな」と非難した。
こうした内容にネットでは賛否の声が上がっている。ブログのコメント欄にはさっそく多くの声が寄せられ、「この図太さってどんなふうになると出来上がるんだろうか?」「救いのようのない自己顕示欲の塊です」と批判的な意見が目立つ。ところがツイッターでは、批判的な意見に加えて「林真理子みたいなエッセイ本出したら売れそう」「変な作家の文章より全然いい。思わず全記事読んでしまった」「これなら男にモテるのは分かる」と評価する意見も多々寄せられている。ライブドアブロガーランキングでは27日17時時点で1位にランクインしていて、今後しばらく注目を集めそうだ。