高橋洋一の自民党ウォッチ
社会問題化した仮想通貨ビットコイン 「すべて自己責任」の方が「すっきり」かも

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

避けて通れなくなった規制議論

   いずれにしても、ビットコインについて、これまでどのような規制が必要か、どこが規制すべきかといった問題は議論されなかったが、こうして社会問題になったので、避けて通れなくなった。

   もっとも、国や中央銀行の規制を受けないといったこともビットコインの魅力であった。今さら規制といっても場違いな感もあり、すべては自己責任で貫徹する方がすっきりしているかもしれない。

   金融商品取引法の規制対象として有価証券や通貨があるが、ビットコインはそれらには含まれない。金融庁や財務省も、管轄下でないといっている。犯罪被害や消費者被害という観点から、警察や消費者庁が実態把握につとめるだろう。そうなると、かつて社会問題になった「円天」と同じような扱いになって、信用は失墜するだろう。ビットコインはなかなかよくできた仕組みだけに、ちょっと気の毒な気もする。まあ、創始者(Satoshi Nakamotoという正体不明の人物)はしっかり数百億円以上ももうけたのではないか、と筆者はみているが。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2005年から総務大臣補佐官、06年からは内閣参事官(総理補佐官補)も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に「財投改革の経済学」(東洋経済新報社)、「さらば財務省!」(講談社)など。


1 2
姉妹サイト