ソチ五輪でフィギュア女子6位入賞の浅田真央選手(23)が2014年2月25日朝帰国し、東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見した。14年3月の世界選手権後も競技生活を続行する可能性については明言を避けてきた浅田選手だが、今回の会見では「ハーフハーフ(半々)ぐらい」と、これまでより踏み込んだ。
また、元首相で東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が浅田選手のショートプログラム(SP)の演技について
「真央ちゃん、見事にひっくり返りました。あの子、大事な時には必ず転ぶんですね」
などと述べたことには、「何とも思っていない」と述べる一方、「自分も失敗したくて失敗しているわけではない」と違和感もにじませた。
森氏の発言に「それはちょっと違うのかな」
浅田選手は成田空港から会見場に直行。浅田選手らを乗せた日本航空(JAL)のチャーター便が、ソチ空港の混雑で燃料や荷物の搭載が遅れた影響で、出発が約2時間遅れた。この影響で、会見も2時間近く遅れて始まった。浅田選手が特派員協会で会見するのは07年4月以来7年ぶり。
浅田選手によると、森氏の発言に接した時の感想は
「(演技が)終わった後だったので、『あー、そんなこと言ってたんだなー』ぐらいに思っていた」
といった程度だったが、
「やはり自分も失敗したくて失敗しているわけではないので、『それはちょっと違うのかな』という風には思ったんですけど、森さんはその(発言をした内容の)ように思ったのではないかと思った」
と話した。
「森氏はあと5年間会長を務めるが、日本人はたえられると思うか」
との質問には、
「私は、別に今何とも思ってないんですけど、多分森さんが、ああいう発言をしてしまったことについて、森さんは少し後悔をしているのではないのかなあと…」
と逆に気遣い、会場からは爆笑と拍手がわきおこった。
トリプルアクセル「一番の見せ場だと思っているので、絶対に外すわけにはいかない」
浅田選手はソチ五輪を「集大成」と位置づけてきたため、その去就が注目されている。3月26日にさいたまスーパーアリーナで開幕する世界選手権に出場するところまではスケジュールが確定しているが、その後については明言を避けてきた。この点についての質問も相次いだ。
「来シーズン続けられる可能性は何%ぐらいか」
との質問には
「まず世界選手権でショートもフリーもそろえられるようする。ショーがその後にあるので、そこでしっかり全国の皆さんに感謝の滑りをして、しっかり自分で落ち着いて考えたい」
とやはり明言を避けようとしたが、「何%ぐらいか」と質問されたことを突っ込まれると、
「パーセンテージ?うーん。今のところ、ハーフハーフぐらい」
と、言葉を選びながら話した。
また、総合的には必ずしも高得点にはつながらないとの指摘も根強いトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)については、
「私は小さい頃から、ずっと伊藤みどり選手にあこがれて、みどりさんを継ごうと思い、アクセルを挑戦してきた」
「私自身トリプルアクセルが一番の見せ場だと思っているので、絶対に外すわけにはいかない」
と、こだわりを見せていた。