「海洋権益の保護」は「力ずくで奪い取る」の中国流の婉曲表現
これに加えて中国は、東シナ海以外にも、南シナ海で自国領域を主張する9つの境界線「九段線」周辺の挑発的行動を加速させている。その一例として、ファネル氏は中国が「海洋権益の保護」を名目に南フィリピン海で行っている戦闘訓練を挙げ、
「『海洋権益の保護』とは、中国の隣国が持つ、海岸に関する権益を力ずくで奪い取ることの中国流の婉曲表現」
と危機感を示した。
中国側でも、米国側が問題視した軍事演習の様子は報じられている。新華社通信が13年10月20日に伝えた内容によると、演習は「藍」と「紅」の2つの部隊に分かれて行われた。「藍」が陸から沿岸を守り、「紅」が沖から上陸を試みる役割だ。
演習では、まず紅軍のヘリコプターが地対空ミサイルを発射し、藍軍のレーターを攻撃。約30分後には紅軍の水陸両用の装甲車が上陸を果たし、紅軍が終始優勢で進んだ。
大規模上陸作戦を念頭に置いているのは明らかだが、この新華社通信の記事では具体的な仮想敵国や地域の名前は示されていない。そのため、ファネル氏が何を根拠に「新しい任務を与えられた」と論じているのかは明らかではない、