バグはコードの「コピペ」失敗が原因か
グリーン教授はその後ツイッターで、コードのエラーは「少なくとも2013年10月」には存在していた可能性を指摘。原因については、コードを書く際に他所からのコピーペーストを誤ったのではないかとの見方を示した。
ロイター通信によると、アップルは今回のバグについて、いつ、どのように知ったのか、実際に悪用された例はあるのかといった点は明らかにしていないという。サイト上では「接続認証を有効にするための、技術的に安全な通信ができない」と説明しているが、これだけでは「(説明が)あいまい」と批判的だ。
いずれにしろ利用者は、早急な対応を迫られる。情報セキュリティー会社「カスペルスキー」は2月24日、サイト上でiOSについて「今すぐアップデートを」と呼びかけた。情報流出の危険性を回避するため、更新前はネットバンキングといった重要な通信を行わない、更新時は「フリースポット」のような誰でもアクセスできる公共のサービスを利用せず、自宅のネットワークに接続するといった注意喚起をしている。
現行の「iOS7」は、2013年9月に配信が開始され、同月に発売された「iPhone 5s」をはじめ、iPadを含む複数の機種に対応する。「5s」では10月、画面が青一色の「ブルースクリーン」となって強制的に再起動する現象が複数報告された。アプリのクラッシュも、従来モデルより多いともいわれる。いずれもiOSが直接の原因なのか、アップルの発表がないので何とも言えない。ただiOSの更新回数は2013年9月、10月、11月に続いて今回で4度目と、配信スタートから半年にしては多いように思える。しかも今度は、情報通信の安全性やアップル製品の信頼性の根幹にかかわる重大な問題だけに、同社からの詳しい説明がほしいところだ。