バラエティなど似たり寄ったりの番組が増え、ネット上で「テレビがつまらなくなった」との声が増えている。それは、テレビ局のテレビ離れが理由らしい。
かつて「ひな壇タレント」という手法が、テレビ界を席巻した。スタジオにお笑い芸人らを並べ、自らのプライベートなどをネタに大騒ぎをする。
経費削減の次は、スポンサーの一本釣り
その理由は、経費削減効果がてきめんだからだ。テレビ不況の中で、お金のかかるロケや台本作りなどをせずに済み、番組を安く上げることができる。ところが、最近は、それすらもリストラの対象になっているという。
代わって増えてきたのは、司会者1、2人が毒舌芸で番組を切り盛りするバラエティなどだ。イメージで言えば、マツコ・デラックスさん(41)や有吉弘行さん(39)らだ。出演するタレントを絞れるほか、大物芸人らとは違って、ギャラも安いからだとされている。
テレビ局が経費削減に続いて、目を付けたのが予算増加の策だ。
スポンサー候補を狙って、「人気商品ランキング」などでの番組参加を呼びかける。うまくいけば、別の番組でスポンサーになってもらえるわけだ。もちろん、企業の裏側などを暴けるはずもなく、必然的に「つまらない」番組になる恐れもある。
芸能評論家の肥留間正明さんは、こうした番組が増えてきた背景には、テレビ局が番組を制作せず、制作会社などに丸投げするようになってきているからではないかと指摘する。つまり、番組の内容よりも、いかに利益を上げるかに関心が移っているということだ。今のテレビ局は、本業よりドラマのDVD化や映画などサイドビジネスに力を入れているとも言う。