ソチ五輪のフィギュアスケート女子フリーが2014年2月21日未明(日本時間)に行われ、ショートプログラム(SP)2位だった、開催国ロシアのアデリナ・ソトニコワ選手(17)が金メダルに輝いた。
SP首位だった韓国のキム・ヨナ選手(23)は逆転を許し、銀メダルとなった。五輪2連覇は叶わなかったとはいえ素晴らしい結果だが、韓国を中心に疑問や怒りの声が上がっている。「判定がおかしい」「ロシアの選手を贔屓した」などと言われているのだ。
ソトニコワ選手は着地でつまずくミスも
フリーでは、ソトニコワ選手は全体の21番目、ヨナ選手は最後の24番目の滑走だった。
ソトニコワ選手は3回転ジャンプを5種類、7回決めた。高さのあるジャンプと勢いのあるスケーティングで、時折客席に手を振る余裕も見せながら演技した。
途中、ダブルトウループジャンプの着地でつまずくミスがあったが、解説の元フィギュアスケート選手・八木沼純子さんは「完璧でしたねぇ…これはすごい」「全部のジャンプに多くのプラスが付きます。ミスを消すほどの他のジャンプの加点だと思う」と絶賛した。
得点は149.95点で、自己ベストを20点以上上回る高記録。一躍トップに立った。
一方のヨナ選手は、3回転ジャンプを4種類、6回決めた。ジャンプは軽やかで、強弱のある曲に合わせた表現力で楽しませてくれた。
結果は144.19点で、ソトニコワ選手のSP・フリーの合計点に5.48点届かず。ソトニコワ選手が金メダル、ヨナ選手が銀メダルとなった。
ディック・バトン氏「ヨナが本当のチャンピオンだ」
結果が出てすぐに、米国の放送局「NBC」のオリンピック用ツイッターアカウントで、「キム・ヨナ選手が銀メダルを獲得した。17歳のソトニコワ選手が金メダルで、コストナー選手が銅メダルだった。この結果に納得できますか?」とツイートした。
これに対し、韓国人とみられるツイッターユーザーが一斉に反応。「NO NO NO」「NO!Never!」「絶対NO。公正じゃなかった」など、「反対」という怒りまじりのリプライが大量に寄せられた。
開催国ロシアのソトニコワ選手が有利な判定をされたのでは、と思い込んでいる人が多いようで、ロイターによると、東亜日報では「ソトニコワ選手には、ホームグラウンド点と、『プーチン点』が加算された」という記事が掲載されたほか、韓国の放送局「SBS」のペ・ソンジェアナウンサーも、ツイッターで「プーチン大統領の町内運動会をやるってんなら、なんで我々を招待したんだよ」と投稿したという。
韓国のポータルサイト「DAUM」では、「ソトニコワ選手の金メダルをはく奪するよう国際スケート連盟に提訴、請願しよう」という署名運動まで開始され、2月21日までに1万7000人を超える署名が集まっている。
韓国外からもヨナ選手の演技が優れていたという声が上がっている。
これまでヨナ選手のスケートに批判的なコメントもしてきた、米国の元フィギュアスケート選手のディック・バトンさんは、ツイッターで「ヨナ、あなたが本当のチャンピオンだ。あなたの今日のスケートはいつもと違っていた。おめでとう!」と投稿した。
比較的ヨナ選手に厳しい日本の視聴者からも「完全ヨナ金やったろ…」「素人からしたら、ヨナちゃんが金かな…」「キム・ヨナも完璧な演技だったのに。。これあれだな、ロシアだからだな」といった声が上がっている。