初代韓国統監の伊藤博文を暗殺したことで知られる安重根(アン・ジュングン)を称賛する動きが、韓国でさらに加速している。
2014年1月には中国黒竜江省のハルビン市に記念館が設けられ、韓国人観光客が多く訪れている。子ども向けにキュートなイラストを入れた伝記やTシャツも売られている。これに加えて三次元の「ゆるキャラ」まで登場したとの情報もあり、幼少期から「反日」を刷り込む教育は強固になるばかりだ。
イラストで「日帝強占期をあまり知らない子どもに親しみ持たせる」
安は、日本政府が「テロリスト」とみなす存在だが、韓国では「義士」。伊藤博文の射殺も「義挙」だとされている。それだけに、韓国では「義挙」を子どもに伝える方法にも色々な工夫がこらされている。
例えば、大手の通販サイト「Gマーケット」では、安をたたえる書籍は山のようにヒットし、容易に手に入る。子ども向けのものも多く、中には、目がキラキラでヒゲ姿のキャラクターが表紙を飾っているものもある。もちろん、このキャラクターは安をモチーフにしている。偉人の伝記をシリーズ化した書籍のうちの1冊で、価格は6000ウォン(570円)。本の説明文には、
「陽気でユーモラスなイラストを入れて、日帝強占期をあまり知らない子どもに親しみを持たせている」
とあり、イラストを通じて伊藤の暗殺の正当性をスムーズに教え込む狙いがありそうだ。
このサイトでは、「安重根と満州ハルビン駅」と題したペーパークラフトも5000ウォン(475円)で売られている。ハサミを使わなくても簡単に組み立てられることを売りにしている。組み立てると、客車の前で伊藤が客車の前で安に銃撃され倒れ込む様子が、距離感とともに立体的にわかる仕組みだ。手軽に「義挙」を追体験できるというわけだ。