2014年2月19日(日本時間20日未明)に行われたソチ五輪フィギュアスケートの女子ショートプログラムで、バンクーバー五輪銀メダルの浅田真央選手(23)はまさかの16位と大きく出遅れてしまった。
生中継では、ぼう然とした表情のままインタビューに応じる姿が映し出されたのだが、このインタビュアーが「私たちも気持ちの整理がつかない」と発言したことで、視聴者のひんしゅくを買っている。
浅田選手「まだ何も……分からないです」と放心
浅田選手は出場選手30人中の最後に登場した。直前には地元ロシアのアデリナ・ソトニコワ選手が首位のキム・ヨナ選手に続く高得点を出し、会場は大歓声に包まれたばかりだった。「異様」ともいえる雰囲気の中で、浅田選手は緊張した面持ちでショパンのピアノ曲「ノクターン第2番」にあわせ滑り出した。だが、6分間練習では成功していた冒頭のトリプルアクセルでいきなり転倒。さらに、後半のコンビネーションジャンプも2回転ループの単発に終わった。結果は自己ベストから約20点も低い55.51点で、16位でのスタートとなってしまった。
滑り終えた浅田選手はうつむき、演技直後のインタビューでも魂の抜けたような表情のまま姿を現すなど、終始ショックを隠せない様子だった。翌日にはフリープログラムが控えているとあり、インタビュアーの質問にも配慮が求められる。ところが、男性インタビュアーは「ちょっとまだ私たちもなかなか気持ちの整理がつかないですけども、」との前置きをした上で、「この雰囲気の中の演技というのは、どうだったんですか?」と質問した。
これに「自分でも終わってみて、まだ何も……分からないです」と返すと、インタビュアーは「まだ明日ありますから、みんな変わらず応援しています。楽しみに待っています」とエールを送った。浅田選手は「明日は自分のフリーの演技ができるようにしたいと思います」とのみ答え、放心状態のままその場を後にした。
「トドメ刺す気なのかな」「いくら何でもひどい」
「気持ちの整理」のくだりは、選手の気持ちに寄り添おうとしたインタビュアーなりの配慮だと考えられるが、傷心の浅田選手をテレビの前で見守っていた人々は快く思わなかったようだ。インターネット上には、
「まだフリーが残ってる真央ちゃんにトドメ刺す気なのかな死ねばいいのにマジで」
「第一声、いくら何でもひどすぎるな。それじゃ『あーあ、ガッカリですよもう』と言っているようなもんだわ」
「インタビュワー、最低だったな。貴様の気持ちの整理なんぞどうでもいいのに、失意の選手に追い撃ちをかけるような真似をして。『日本国民全員が落胆しましたよ、どうしてくれるんですか』ぐらいに受け取ってしまうだろう」
「なんと無神経なことよ。靴紐が切れたバンクバーの織田を泣かせた苅谷アナを彷彿とさせる」
などと批判的なコメントが相次いだ。
「インタビュアーを責められない。日本国じゅうそんなムードだったと思う」「結果が良い時、『自分の事のように嬉しい!』はOKで、悪い時は『我々も気持ちの整理が…』はNGなの?インタビュアーなんて、フィギュア調べ上げて仕事しに行ってるんやで。思い入れはハンパないと思うんやけどな」と理解を示す人もいるが、大半は思慮に欠けた発言として問題視している。