新潟市では住民誰もが自然に協力し合っている
また、マンション管理会社大手の日本ハウズイングの担当者は、
「管理委託契約書に記載されている業務の中に、除雪作業が盛り込まれることは一般的には殆んどありません」
と打ち明ける。北海道などの豪雪地帯のマンションでは除雪の専門業者に委託する例もあるが、それは全く別の契約なのだそうだ。といっても、管理人がいる大きなマンションでは、契約書に書かれていなくても管理人が除雪作業をすることになる。ただし、勤務時間が短いところもあるほか、土日祝日などは管理人に臨時で出勤させ雪かきの仕事を任せることも難しい。さらに、巨大なマンションの雪かきを僅かな人数の管理人でこなせるとは考えられない。
となると、集合住宅では雪かきがされない場合もありそうだ。
「お住まいの皆様が快適に安全に生活できるよう、できる限りのお手伝いをしておりますが、雪かきに関してはこうした状況なのです」
と話している。
NPO法人全国マンション管理組合連合会でも、誰がやるかはルールで決まっているものではない、とし、
「特定の誰かにやってもらうものでもなく、マンション住民のコミュニティーで解決する問題です」
と「自治」を強調した。
雪国ではどうなのか。新潟市にある不動産会社の女性に話を聞くと、マンションの雪かきをする専門業者と契約したり、管理人に任せるという話は聞いたことがなく、住民全員が自然に協力し合っているのだという。家族でマンションに住んでいる男性の話では、朝などは通勤する時間が早い人から順番に雪かきをして道を作り、昼近くになるとだいたいの整備が終わっている。
「みなさん当たり前に雪に対してやっていることで、都会のように『管理組合は何をやっているんだ!』などと主張する人がいたら、ここでは住んではいけませんよね」