ショートトラックは「お家芸」のはずなのに…
こうした「怒り」の背景には、「お家芸」のはずのショートトラックが、今回のソチ五輪ではふがいない結果に終わっていることがある、とみられる。韓国勢のショートトラックの成績は2014年2月16日まで、銀1銅1。前回のバンクーバー大会が男女あわせて金2銀4銅2と、韓国の14のメダルのうち8個をたたき出したのだから、いかにもさみしい。
しかも、2月13日のショートトラック男子1500メートルでは、韓国からロシアに国籍を変更して出場したビクトル・アン選手が銅メダルを獲得。アン選手は2006年のトリノ五輪で、安賢洙(アン・ヒョンス)として韓国に3個の金メダルをもたらした選手で、中国メディアの騰訊体育によると、韓国の一部メディアと国民はアン選手を「裏切り者」と批判したと報じた。
さらには13日の女子ショートトラック500メートルの決勝戦で、英国のアリス・クリスティ選手がイタリアの選手と接触し転倒。先頭を滑っていた韓国のパク・スンヒ選手が巻き込まれ、銅メダルに終わったことについて、クリスティ選手が競技後、自身のフェィスブックでパク選手に謝罪したところ、怒りが収まらない韓国人ネットユーザーから、「パク・スンヒの4年にわたる努力を破壊した」「韓国国民は永遠にお前を許さない」などといった罵詈雑言が寄せられたという。
ふがいない状態が続く「お家芸」への鬱憤が、選手らにぶつけられているのかもしれない。