首都圏が大雪に見舞われた2014年2月9日夜、複数の日本航空(JAL)の国際便が、多数の乗客を「置き去り」にしたまま成田空港を出発していたことが明らかになった。
大混乱の中で搭乗手続き締め切りのアナウンスに手が回らなかったことが原因で、当然のように乗客から苦情が殺到する事態になった。国際便客の大量積み残しというのは、日本の空港では異例だ。
置き去りにされた人の数は算出が難しい
この日は成田空港までの公共交通機関がすべて止まっており、空港は「陸の孤島」に。空港にたどり着けない飛行機の乗組員、地上職員も多かった。飛行機の出発のめどがたたなかったため、チェックイン手続きを一時中断していた。天候が落ち着いて出発準備が進んだ20時頃になって手続きが再開されたが混乱状態は続き、一部の便については搭乗手続きの最終案内を行わないまま出発してしまった。JAL広報部ではその理由を
「カウンターでは個別のお客さま対応が続いており、搭乗手続き終了のご案内が皆様に十分に行き届かなかったことがございます。また、成田空港や目的地空港の運用時間制限、航空法上の乗務員の乗務時間制限もあり、出発せざるを得ませんでした」
と説明している。乗客を置き去りにした便の数や、置き去りにされた乗客の数は算出が難しいという。空港までたどり着けずに便に乗れなかった乗客も多数おり、置き去りにされた人と切り分けられないからだ。
置き去り客を出した便のひとつが、ベトナムのホーチミン・シティ行きのJL759便。本来は17時55分の出発予定が、約4時間遅れて22時17分に出発した。約50人が置き去りにされたという情報もあり、深夜まで乗客とJAL担当者との押し問答が続いたようだ。