2014年2月15日に行われたソチ五輪ノルディックスキー・ジャンプの男子ラージヒルで「レジェンド」こと葛西紀明選手が銀メダルに輝いた。41歳でのメダルは、五輪スキージャンプ史上最年長記録だ。
葛西選手はインタビューでたびたび「家族」について触れているが、本人は未だ独身だという。そのため、インターネット上ではソチ五輪での活躍に感動した女性たちがさっそく「嫁」に名乗りを上げている。
家族思いの葛西選手「メダルで恩返し」
1992年のアルベールビル五輪に19歳で出場して以来、7大会連続で五輪に出場してきた葛西選手。前傾の独特な飛行フォームから、ジャンプの本場であるヨーロッパでは「カミカゼ・カサイ」と名付けられ、最近では、20年以上にわたる第一線での活躍を称えて「レジェンド」とも呼ばれるようになっていた。
ワールドカップでは通算16回の優勝という好成績を残しているものの、五輪で獲得したメダルはリレハンメル五輪(94年)の団体で得た銀一つだけだ。「日の丸飛行隊」が金メダルを獲得した長野五輪(98年)では、直前のケガによりメンバーから外されるという悔しい思いもした。それでも葛西選手は厳しいトレーニングを重ねながら「金メダル」を目指し、41歳で迎えたソチ五輪で自身初となる個人戦メダルを獲得し、世界を驚かせた。
まさに「生きる伝説」となった葛西選手だが、心の支えとなっていたのは愛する家族の存在だ。両親の離婚、妹の難病発症、火事に遭った最愛の母の他界と辛い事が続くも、姉や妹、父、母の残した言葉に応援されながらメダル獲得に向けて全力を注いできた。試合後の会見でも今後の五輪への意欲を語る一方で、母や妹の話も交えながら「恩返しができたんじゃないかと思っています」と家族への思いを口にしていた。