日本マクドナルドホールディングス(HD)の2013年12月期の連結決算は、売上高が前期比11.6%減の2604億円、営業利益は同53.5%減の115億円、最終(当期)利益は同60.1%減の51億円と、2期連続の減収減益だった。
2004年に原田泳幸氏が社長に就任して以降、快進撃を続けてきたマックも、大きな曲がり角に直面している。
「勝負の年」に下げ幅を拡大
前期に続き、客離れに歯止めがかからなかった。2013年の月次既存店売上高は、5、6月の2カ月だけわずかに前年同月比プラスだったが、残りの10か月はマイナス。年間では6.2%減だった。既存店客数も7%減。「客を引きつけるメニューを提供できなかった」(事業会社、日本マクドナルドのサラ・カサノバ社長)ことが大きいようだ。急激な円安の影響で原材料費が上がったことも、収益を圧迫した。
既存店売上高の減少は2012年12月期に始まっていた(前期比3.3%減)。この減少に歯止めをかけられるか否か。2013年12月期は「勝負の年」だったが、一段と下げ幅を拡大した。
もっとも、それまでが「でき過ぎ」だったのかもしれない。既存店売上高は原田氏が社長に就任後、プラスに転じ、2011年12月期まで8期連続増。就任前は7期連続のマイナスだったから、まさにV字回復だった。
「作りたて」メニューの提供、家族連れをターゲットにした店舗改装、24時間営業店舗の拡大、100円マックなど低価格メニューでの集客、そして工夫を凝らした高価格メニュー――など「原田改革」がことごとく当たった。2011年12月期は2001年の上場以来、営業、経常、最終利益ともに過去最高を記録した。
2012年12月期は9期ぶりに減益となったが、それでも2013年12月期は当初、増益を見込んでいた。ところが1月、2月と既存店売上高は2ケタ減が続き、夏には事業会社社長をカナダ人のカサノバ氏に譲ってテコ入れを図ったが、盛り返せなかった。