現体制を快く思わない社内の内部告発者がいる?
しかし、2003年6月までに事故が起きた契約者にすれば、運用の変更は預かり知らぬところで東京海上が勝手に実施したもの。「なぜ自分たちは通知してもらえなかったのか」という不公平感はぬぐえない。同業他社も「同じような付加契約は、調査対象期間中は請求の有無にかかわらず対象者すべてに支払った」との対応を取っただけに、なおさら不公平感は高まる。「今さら請求しろと言っても会社にデータが残っていないのにどうやって証明するのか」との不満も募る。
不公平感の強い当時の契約者が救済されるべき点を十分に指摘した上で、浮上する疑問が「10年以上前のことがなぜ今、蒸し返されるのか」(ある大手損保)。今回の読売新聞報道は大阪本社の社会部が大きくかかわっていたようで、2月6日付朝刊の特ダネ記事も大阪本社版の方が扱いが大きく、日銀本店での永野社長会見にも大阪から記者が来ていたそうだ。そんな事情から保険業界では「現体制を快く思わない社内の内部告発者が大阪読売と組んだのでは」との見方が、広がっている。