「美容院のミスが証明できないと、勝訴は難しい」
もっとも、「いやいやさすがにチリチリはダメだろww」「実際やられたらたまったもんじゃない」と女性に同情する声も出ている。
実際、パーマなどの失敗については、ネット上では、美容院に損害賠償を請求したいとの声がいくつも寄せられていた。弁護士ドットコムを見ると、パーマで失敗して美容院に12万円余を請求したいという女性の相談もあり、応対した弁護士が、慰謝料も含めて20~50万円程度が損害賠償として認められうるなどと説明していた。
過去の報道では、高額の賠償が認められたケースも中にはあった。横浜市内の女性がコールドパーマのせいで皮膚炎や耳鳴りに悩まされていると損害賠償を求めた訴訟では、東京地裁が1990年3月19日に美容院に400万円の支払いを命じている。判決では、パーマ液を塗って30分以上も放置した使用法や洗髪のやり方にミスがあったと認定していた。
弁護士ドットコムで相談に応対している黒岩英一弁護士は、パーマの失敗で勝訴するためには、やはり美容院のミスが明らかにされないといけないと指摘する。
「裁判では、美容院が本人の希望でそうしたと主張する可能性がありますので、注意義務違反などに問うことは難しくなります。ですから、パーマがチリチリになると予測できたと、因果関係が証明される必要があります」
400万円の判例については、ミスのうえに健康被害もあったので高額になったのではないかと言う。通常の失敗では、パーマ液の使用法などにミスが分かれば10~20万円、美容院に結婚式を伝えているなら、最高で50万円の損害賠償が認められうるとしている。