不運の高梨沙羅、「追い風」に負けた 風向きによる点数加算も微々たるものだった

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点数調整「全然選手の感覚としては足りてない」

   だが、今回の五輪から採用された風向きの不公平を点数調整する「ウインドファクター」による救済の効果はなかったのか。有利な向かい風が吹いたときは点数を引き、不利な追い風の場合は点数を加える措置だ。高梨選手は1回目に全選手最高の3.1点、2回目は1.9点がプラスされた。

   ウインドファクターについて、冬季五輪に3回出場経験のある高橋大斗氏は、TBSテレビ系「朝ズバッ!!」で以下のようにコメントした。

「このポイントだと全然選手の感覚としては足りてないです。不利だからちょっと足してもらっている程度で、実際向かい風で飛んだ方が断然有利。もし向かい風の状態で高梨選手が飛んだら106メートルぐらいいったんじゃないかと思う」

   今回のノーマルヒル(HS106メートル、K点95メートル)の場合、K点を1メートル超えるごとに2.0点ずつ加わる計算だ。仮に106メートルをたたき出していたら、大きく展開が変わっていた可能性がある。

「高梨選手は1本目も2本目も追い風に当たってしまった。特に2本目の風なんかはポイント的(ウインドファクター加算分)にはたいして大きくないですけど、上の方は向かい風で下の方は追い風という、ジャンプ選手が一番嫌う風で飛んでるんです。こればっかりは彼女の精神力、技術ともに完璧だったんですけど、運が悪かったとしか言いようがない」(高橋氏)
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