2014年から改名したことでも話題の「モーニング娘。'14(ワンフォー)」が、ますます勢いを増している。14年1月29日発売のシングル「笑顔の君は太陽さ/君の代わりは居やしない/What is LOVE?」がオリコンシングルデイリーランキング初登場1位を獲得し、モー娘。史上初の4作連続1位という快挙を成し遂げた。
CD売り上げだけではなく、このところテレビや雑誌でも名前を見ることが増えた。低迷期を経て「再ブレイクか」と度々言われてきたが、本格的に「モー娘。」のビッグウェーブがやって来ている。
シングルの初日売り上げが10万枚突破
オリコン1位を獲得した「笑顔の君は太陽さ~」は、初日の売り上げが11.9万枚。モー娘。のシングルが初日に10万枚を突破したのは、09年3月にデイリーランキングの売り上げ枚数の公開が始まってから初めてだ。
14年2月10日付のオリコン週間シングルランキングでも、14.9万枚で1位を獲得。13年8月発売の前作「わがまま 気のまま 愛のジョーク/愛の軍団」を約5000枚上回った。
今回の販売形態は初回生産限定盤A~D、通常盤A・Bの6種類で、ジャケット写真は全て異なる。DVDや生写真、イベント抽選券、握手会参加券、メンバーとポラロイド写真が撮れる「チェキ会」参加券といった特典が付くことも、売り上げ枚数に大きく影響したと考えられる。
1月31日には、「わがまま 気のまま~」発売のタイミングで6年ぶりに出演した「ミュージックステーション」(テレビ朝日系)に、今度は5か月ぶりに出演した。「What is LOVE?」のほか、1999年の大ヒット曲「LOVEマシーン」をエレクトロな曲調にアレンジした「LOVEマシーン(updated)」を、当時とは違う振り付けで披露した。
ネット上では、ファン以外の視聴者からも「新しいLOVEマシーンの振り付けかわいいやん!」「LOVEマシーンの今のアレンジ曲は、かなり好きかも」「道重さんしか知らない無知だけど歌うまいなぁ」などと書き込まれ、好評だったようだ。
「フォーメーションダンス」が魅力?
音楽関係ではないテレビ番組への出演も相次いでいる。14年に入ってからは、「新春豪華どっきり祭り!」(フジテレビ系、1月2日放送)、「教訓のススメ2時間SP」(フジテレビ系、1月26日放送)にメンバー全員で登場した。
2月11日放送の朝の情報番組「スッキリ!」(日本テレビ系)にも全員で生出演し、ソチ五輪の日本選手団公式応援ソング「君の代わりは居やしない」を披露した。
番組では今のモー娘。の魅力について、「次々と隊列を変え10人で1つの形を見せるフォーメーションダンス」「ハイレベルなダンスを踊りながら生歌を披露する、踊りっぱなし・歌いっぱなしのライブ」と紹介されていた。
雑誌で特集を組まれることも増えてきた。1月29日発売の「an・an」では、「アイドルのすべてが詰まったグループ、モーニング娘。'14はこんなにすごい!」という見出しで取り上げられた。「近年はメンバーの大胆な若返りを果たし」たこともあり、「現存するグループアイドルのなかで最も老舗にして、常に最新形を更新し続ける」と書かれている。
モー娘。の平均年齢は16.5歳で、AKB48正規メンバーの18.6歳、ももいろクローバーZの18.4歳と比べて確かに若い。20代がリーダーの道重さゆみさん(24)のみで、10代前半~半ばのメンバーが多くを占める「フレッシュ感」も売りの1つだ。
2月4日発売の「日経エンタテインメント!」は、「再ブレイクから新時代創造へ踏み出す10人 知っておくべき今の娘。たちの事実と素顔」として、道重さんのインタビューと、サブリーダーの譜久村聖(ふくむら・みずき)さん(17)、飯窪春菜さん(19)、センターの鞘師里保さん(15)の対談を掲載している。「グループをもっと売り出していきたい」という思いや、「先輩が卒業してもレベルを下げてはいけない」という必死さがうかがえる内容で、「まるで歴史と伝統、格式ある女子校の部活動のようだ。今のモーニング娘。が注目されているのは、伝統を守りながらも、自らの時代を切り開こうとしている姿勢にあるのかもしれない」と分析されている。
13年は「紅白歌合戦出場」を目標に活動してきたが叶わず、メンバーは「悔しかった」と口を揃えた。改めて紅白出場を目標に掲げた2014年、注目度、人気ともに上り調子で、2年越しの夢実現がいよいよ現実味を帯びている。