日本選手に対して敵意を示すことも多い韓国メディアが、珍しく日本選手を揶揄した韓国人アナウンサーに矛先を向けている。
ソチ五輪フィギュアスケート団体の女子ショートプログラム(SP)で、浅田真央選手がトリプルアクセル(3回転半)に臨もうとしたときに「やっぱり失敗しそう」と実況したことについて「相手選手に対して過度に軽蔑的だ」と批判が殺到。大手紙がそろってその内容を伝えている。
「私が思うに、まだ浅田はキム・ヨナの相手にならない」
フィギュア団体の女子SPは2014年2月9日行われ、浅田選手はトリプルアクセルで転倒。180度以上回転が足らないと判定された。その結果、浅田選手はユリア・リプニツカヤ選手(ロシア)、カロリナ・コストナー選手(イタリア)に次いで3位だった。この様子を実況していた韓国KBSの趙建軫(チョ・コンジン)アナウンサーに対して批判が集まった。KBSは韓国唯一の公共放送で、日本のNHKに例えられる存在だ。
演技が始まる前に趙アナは「浅田真央のトリプルアクセルが成功するかがカギ」と解説。演技が始まると、「さあ、トリプルアクセル、やっぱり失敗しそうです」と続けた。さらに、
「全世界のメディアはよく韓国のキム・ヨナと浅田真央の多くを比較するが、私が思うに、まだ浅田はキム・ヨナの相手にならない」
「キム・ヨナのジャンプはそれこそ格が違い、高さ、距離、スピード感において他の追従を許さない」
とキム・ヨナ選手を一方的に称賛した。
浅田選手はトリプルアクセルで転倒しており、結果として趙アナの「予言」は的中した形だが、それでも韓国のメディアや視聴者は相当な不快感を抱いたようだ。趙アナは2月7日に行われた団体の男子SP中継でも、中継内容とは関係ない浅田選手について執拗に言及して批判を受けたという経緯がある。そのこともあって、女子SPでの発言に対する批判が大きくなったようだ。