一日で5万ドル(日本円で約500万円)の広告収入
「Flappy bird」は13年5月にリリースされ、はじめはiOS、続いてAndroid(アンドロイド)に対応した。長くランキング圏外だったが、13年12月27日にiTunesStoreの ゲームアプリの"家族"カテゴリで26位にランクインしてから徐々に順位を上げていき、14年1月17日に初めて無料ランキング1位にランクイン。そして、アメリカをはじめとした全世界89か国で無料ランキング1位を獲得した。レビューの件数は、35万件以上にのぼり、5.0の評価をしているレビューは約20万件で、過半数を超えていた。Flappybirdの口コミ人気に引きずられて、DongNguyenさんが開発した他のゲームもランクインし、DongNguyenさんにはピーク時には一日で5万ドル(日本円で約500万円)の広告収入が入ることもあったという。
人気の秘密は「難しすぎる」ことにあった。ゲームの外見は8ビットゲームのような非常にシンプルなもので、操作も画面をタップするのみ、と非常に簡単だ。タップにより画面上を飛ぶ鳥の高さを調節して、土管の隙間を、ぶつからないように飛ばせ続ければいい。と、これだけ見ると簡単なように見える。ところが、難易度は異常に高く、プレイし始めるとすぐにゲームオーバーになってしまうのだという。この難しさが「中毒になる」「スマホを壁に投げつけたくなる」などと話題になったようだ。
爆発的ヒットの理由を、山本一郎氏もブログで「よくありがちな絨毯爆撃方式による広告出稿などは一切行われなかったそうで、当然アプリストアのランキング操作などもやっていないようです。いわゆるネタ的な扱いでSNSなどでのバイラル効果が相互作用してシンクロニシティが生じ、通常ではあり得ないような異常なほどのブーストが自然に行われたと見るしかなさそうです。それに、こうしたブームを分析するような記事が大手ネットメディアで盛んに取り上げられたことも、さらに火に油を注いだことは間違いないでしょう」と分析している。