パソコン事業売却やテレビ事業の分社化で経営再建を図るソニー。かつては独創的な商品で世界を席巻したが、今や長期信用格付けで「投機的な水準」に引き下げられる有様で、韓国メディアは、ここぞとばかりに「ソニーの没落」を報じ、サムスン電子やLG電子の優位を伝えている。
朝鮮日報サイトに2013年2月10日、「TV部門分社・PC事業売却 ソニー、どうしてこうなったか」という題の記事が掲載された。
「没落する日本テレビ王国の現状」
テレビ事業に関しては、過去の成功が足かせになり液晶パネルの研究・投資に出遅れ、「事実上、サムスンなどから主要部品の供給を受ける羽目になった」と指摘した。ソニーが作れば世界標準になるという傲慢があり、iPodなどのMP3プレーヤーの登場に「ウォークマン」が備えていなかったことにも問題があった、と書いている。
また、専門経営者が短期的利益のために事業を多角化したのが「没落の原因」だとし、「ソニーはもはや技術の会社ではない」と、技術者が大挙して離職していったことも紹介した。
韓国の経済サイト「マネートゥデイ」も「ソニーの没落」を書きたてた。パナソニックのプラズマテレビ撤退に続くソニーの動きを、
「一時は世界のテレビ業界を左右した日本二大山脈が、サムスン電子とLG電子の攻勢に押されて墜落している」
と表現した。
「没落する日本テレビ王国の現状をそのまま見せてくれる」象徴的な事件として韓国では受け止められていると言い、サムスン電子とLG電子にとっては「短期的に好材料として作用する展望」という見方だ。
「分社化が終わるまでは攻撃的なマーケティングや営業が不可能で、人材が外部に流出する可能性も高いからだ。分社化が終わっても組織を取りまとめるまでに、相当な時間が必要だと予想される。事実上今年は、テレビ事業はさらに実績が悪くなる可能性が高い」
ニュースサイト「デイリアン」でも、
「業界では、ソニーの今回のテレビ事業分離に、テレビ事業でサムスン電子とLG電子の二強体制が確立されると見ている」
と強気に報じた。
スマホやタブレットに集中にも疑問符
ソニー代表執行役社長兼CEOの平井一夫氏は決算説明会で今後の方針として、
「モバイル領域ではスマートフォン、タブレットに集中すべきと判断した」
と語ったが、朝鮮日報の記事はそれにも疑問を投げかけている。
「ソニーは、Appleはもちろん、サムスン電子よりもスマートフォン対応が遅れ、日本市場でも、iPhoneに大きく押されている。ソニーのスマートフォンの世界市場シェアは3.5%で世界7位に過ぎない」