需給見通しでは「安定供給を確保できる見通し」だったが…
東電が13年11月1日に発表した13年度冬季の需給見通しによると、14年2月の需要予測は平年並みの寒さの場合で4870万kw、11年度並みの厳しい寒さの場合で4920万kwだ。これに対して供給力は、いずれの場合でも5424万kw。予備率(100%-使用率)は10%を超えており、「安定供給を確保できる見通し」だとしていた。
ところが、大雪が降った2月8日夕方の供給力は4964万kwと、かなり低い水準だ。東京電力広報部では、
「日々供給力は変動しており、必要な供給力を想定して調整している。想定した供給力の中で使用率が95%になったということ」
と話し、特段危険な状態だったわけではないとの立場だ。平日の供給力は5300kw程度で推移しており、工場の稼働が少なくなる土日は供給力を少なく見積もっていたようだ。
実は京急が運休になっていたのは、電力需要のピークの少し後だ。京急蒲田駅では、
「東京電力から『安全な電力の供給ができない』旨の連絡が入っております。そのため京急線も全線にわたり運転を見合わせます」
とアナウンスされた。このアナウンスからは「電力不足で運転できない」とも理解できる。だが、結果的には若干ミスリーティングだったようだ。