商業漫画と同人誌の両方で活動する人が増える
ある男性同人作家はJ-CASTニュースの取材に対し「年収1000万円はコミケ以外のイベントにも頻繁に出展している人なら頑張れば届きますが、ザラというほど多くはないでしょう」と話す。「6000万円クラスが300人以上」については、「これはありえません」と断言。S氏の場合は、年間に出した同人数の種類も多く、ネットで批判されるほど暴利な売り方をしていたなど「特殊」なケースであり、「実際は本当にごくごく一部という感じです」という。
さらに、記事の最後にあった「あえて商業誌デビューを目指さず、同人誌で生きていく作家が増えているのも当然だ」という見解にも、「増えているとは思えない」と疑問を呈し、「むしろ『同人活動をしながら、商業誌デビューを目指す人』が増えている」と話した。
「最近では、同人誌で利益をあげている人の多くは、商業漫画と同人誌の両方で活動されています。理由はいろいろとありますが、商業漫画全体の売り上げが落ちてきているため、商業漫画だけでは食べていきづらくなってきたから同人誌を描いている、という人も多いと思います。出版社にとっても同人即売会は『新人作家発掘の場』となりつつありますし、同人活動の収入で補ってもらう意味もあり『商業作家の同人活動』に寛容な出版社も増えています。商業漫画業界と同人業界は持ちつ持たれつの関係になっていて、どっちの業界がどうだ、という話ではなく、もはやお互いの業界にとってお互いがなくてはならない存在になっているということです」(同作家)
なお、ネット上の声を受けてかブッチNEWSの記事は5日のうちの幾度もの修正が入り、中見出し部分は「『壁際』の一部では年収1000万の作家も」と変更され、税金をチョロまかしている人は「多いという」から「もいる」に変更、「300人以上」の記述にいたっては削除された。他に細かな注釈も加えられ、文章から受ける印象は当初とはだいぶ異なるものになった。変更に関する説明はなく、5日にブッチNEWS編集部に問い合せてみたが、返答はなかった。