NECが「ビッグローブ」売却 PC系プロバイダー再編の始まり?

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次の売却先はどこになるのか

   総務省によると、昨年9月末現在、固定回線を使ったプロバイダー契約者数は3560万件で頭打ち傾向が強まっている。一方、スマホなど携帯端末向けの高速通信サービス「LTE」の契約者数は約3200万件と急速に普及し、ネット接続の主役の座を奪おうとしている。同じ固定回線系でも、携帯電話とのセット割引などでKDDIなどの通信会社系はシェアを伸ばしているが、PCメーカー系は厳しい事業環境に置かれている。

   「ユーチューブ」などデータ容量が大きい動画配信サービスが普及していることも、苦戦の背景。定額制のため収入は増えないのに、設備投資負担がかさむからだ。

   NECはPC事業を中国レノボ・グループと事業統合したほか、スマホからも撤退するなど構造改革を進めている。今回、ビッグローブ売却と同時に、コンピュータの保守サービスをてがける東証1部上場の連結子会社「NECフィールディング」を、株式公開買い付け(TOB)で完全子会社化することも発表した。成長戦略を描けない分野は外へ切り出す一方、成長に欠かせない分野は本体に取り込もうとしているわけだ。

   ビッグローブを買収する日本産業パートナーズは、過去にもNEC、ヤマハ、オリンパスなどの事業再編に関わってきた。投資ファンドは、経営改革を行って企業価値を向上させた上で、他企業に売却することを生業としている。PC系プロバイダーを巡っては、これまでも水面下で事業統合が模索された経緯がある。「新生ビッグローブ」がどのような成長戦略を描き、どの企業に再び売却されるのか。業界関係者は固唾をのんで見守っている。

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