佐村河内氏側「耳聞こえない」と主張 唯一の根拠は障害者手帳取得だが…

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聴覚障害2級に認定されると、住民税や所得税が30~40万円控除され、公的給付がある

   佐村河内さんが住んでいる神奈川県で障害者手帳を申請する場合、申請書に加えて、県が指定した診断書・意見書が必要だ。

   医師向けに作成された「身体障害者診断書作成の手引き」 によると、聴覚障害の診断にあたっては、音が聞き取れるかを確認する検査や、他人が話している内容をどの程度聞き取れるかを確認する検査を行うことになっている。前者はヘッドホンのようなものがついた「オージオメータ」と呼ばれる機器を使い、後者は検査をする人が「語音明瞭度検査語集」と呼ばれる表に書かれた文字を読み上げ、検査を受ける人がそれを書き取る、という内容だ。

   「両検査とも詐病には十分注意すべきである」とあるものの、検査を受ける人が「聞こえない」「分からない」と主張した場合、医師がそれを覆せるかどうかは未知数だ。

   佐村河内さんに認定されている「聴覚障害2級」の場合、住民税や所得税が30~40万円控除されるほか、医療費が助成され、障害者年金などの公的給付もある。

   実際、公的給付を当て込んだ詐欺事件も発生している。07年には北海道の医師が、健常者に対して簡単な診察で聴覚障害2級と診断。診断書を悪用して約700人が障害者手帳を不正に申請したことが発覚した。医師や仲介した社会保険労務士ら24人が詐欺などの罪で起訴され、22人の有罪・実刑判決が確定している。

   身体障害者福祉法の第46条によると、偽りまたは不正な手段で身体障害者手帳の交付を受けた人に対しては、6か月以下の懲役または20万円以下の罰金という罰則がある。

   さらに、人を欺いて公的給付を受けた場合は、刑法246条の詐欺罪に該当することになり、最長で懲役10年の罰則がある。

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