国産に中国、台湾産が増えて昨夏よりは安値に
数年にわたって不振が続いていたシラスウナギ漁に、一筋の光明が見えてきた。2月4日付の日本経済新聞電子版によると、シラスウナギの取引価格が下落しており、1キロ当たり80万円程度と昨シーズンと比べて約4分の1の水準という。このまま推移すれば、少々気が早いが今夏は比較的安い値段でウナギ料理が楽しめるだろうか。
日本養鰻漁業協同組合連合会(日鰻連)に取材すると、「夏までに一気に値段が下がるかといえば、難しいでしょう」と話す。シラスウナギを養殖池で育て、出荷するまでには最短で半年。早期に出荷する業者もいるが、「静岡県では1~1年半かけてじっくり育てる」。場所によって出荷時期が異なれば、全国的に豊漁だからといってすべてが夏までに市場に出るわけではなさそうだ。
しかし今シーズンの漁獲量増加は国内だけでなく、中国や台湾でも見られるという。近年は輸入ウナギの量も伸び悩んでいたが、今夏は豊漁とともに昨年よりは増える公算が高い。品薄感がなくなれば、少なくともこの夏は昨年ほど高値になることはないだろう。国産ウナギもこのまま漁獲量が好調なら、夏には間に合わなくても秋から2015年にかけては出荷が増える。ウナギ料理も、全く手の届かない高嶺の花から、少し背伸びすれば味わえる価格に下がることは期待できるかもしれない。