北海道札幌市で真っ青な「ラベンダー色のタラバガニ」が発見されて、話題だ。
カニの卸問屋を営むマルサン三上商店が2014年1月18日に仕入れた中に入っていたもので、出荷しようとしたときに気が付き、驚いた。
「カニを扱って25年間で、初めて」
世にも奇妙な、ラベンダー色のタラバガニ。地元では、「幸せを運んでくる」「縁起がいい」と話題になっており、その珍しさは海外にも広がっているという。
タラバガニは、脚を広げた長さが約100センチメートル、重さ3.5キログラムと大きい。稚内で水揚げされたロシア産で、マルサン三上商店の三上健悦社長は北海道新聞(1月23日付)に、「カニを扱って25年間になりますが、こんな色は初めて。これは縁起がいいかもしれない」とコメントした。本来であれば赤茶色している身体だが、毎日カニを扱っているプロでも手にして見るのは珍しかったようだ。
当初は出荷されるはずだった「ラベンダー色のタラバガニ」だが、道内や海外からも話題になったことから、マルサン三上商店では急きょ水族館に譲ることに。2014年2月5日、登別市にある水族館「登別マリンパークニクス」に移送することになった。
水族館では、「移送後のタラバガニの健康状態や餌付けなどの様子をみて、公開日を決めたい」と話しているが、「変色個体の生物は外敵から狙われやすいなどの理由から少ないのですが、このタラバガニについてはかなり大きく育っていますから、その状況を乗り越えてきて、おそらく健康状態もそれほど問題ないと思います」と、できるだけ早く公開したいという。
「大変珍しい個体なので、スポットを当てて展示したいと考えています」と話しており、集客を期待している。
「青いカニ」も茹でれば赤くなる!
タラバガニが「ラベンダー色」であることについて、登別マリンパークニクスは「青色のカニはこれまでも見つかっているのですが、(青色の原因は)はっきりしたことはわかっていません。もともとカニは青の色素をもっているのですが、このタラバガニは何らかの原因で、もう一方の赤の色素が抜けたことが考えられます」と説明する。
北海道新聞(1月23日付)には、道立総合研究機構栽培水試(室蘭)が「エサの影響なのか、色素を欠く突然変異の可能性がある」とのコメントを寄せている。
「青いカニ」が見つかった例では、2008年には有明海で青い竹崎ガニ(ガザミ)が、2012年には鳥取県で青い松葉ガニ(ズワイガニ)が発見されたケースがある。
北海道では、2004年9月にカニ・海産物販売大手のマル海 光洋水産の根室工場で、やはり仕入れたカニの中にきれいな青色のアブラガニがいた例があり、話題になった。
ちなみに、このカニは他のカニと同じように茹でて出荷されたようで、青いカニも茹でると普通に赤くなるそうだ。