「少女漫画を持った不審な男がいる」。タクシー運転手がそう通報して、札幌市内の少女監禁事件が解決したと報じられた。ネット上では、事件と少女漫画が結びつけられたことに不満の声も相次いでいる。実際はどうなのか。
報道によると、逮捕された無職の男(26)は2014年2月2日昼過ぎ、札幌市内のショッピングセンターからタクシーに乗った。
通報者「女児が漫画を読むと思った」
男は、小さな段ボール箱5つのほかに、ビニール袋に入れた少女漫画4冊を持っており、タクシー運転手(61)はそれを不審に思った。男の自宅アパート前で降ろすと、運転手は考えた末に警察に通報した。北海道警の捜査員が部屋から出てきた男に聞いて中に入ると、行方不明だった小学3年の女児(9)が見つかり保護された。道警では、監禁の現行犯で男を逮捕するとともに、未成年者誘拐の疑いでも調べている。男は、容疑を否認する一方、意味の分からない言動もしているという。
男が少女漫画を持っていたことについて、すでに「少女行方不明」と大騒ぎしていた時期だけに、ネット上では、「実際おかしいよな」「どう見ても不審者だろ・・・」との声も出た。一方で、テレビで男が「オタクっぽい感じ」と報じられるなどしたことから、「人の趣味に口出すなよ」「偏見・差別だろ」といった反発も次々に上がっている。
とはいえ、タクシー運転手は、男が少女漫画を読もうとしていると考えて不審に思ったのではないようだ。
運転手は、男が逮捕された後の記者会見で、男の持っていた少女漫画は、行方不明の女児が読むような本ではないかと思って交番に行ったと明かした。さらに、段ボール箱は軽かったので、女児にあげるお菓子が入っているのではと思ったそうだ。寒いのにスエット姿で買い物をしていたことやおどおどした男の様子も異様に感じたとしており、そこには総合的な判断があったらしい。