NTTドコモでiモードやおサイフケータイビジネスを立ち上げたことで知られる、ドワンゴ取締役で慶應義塾大学特別招聘教授の夏野剛さん(48)がネットで袋叩きにあっている。
夏野さんはJR駅構内の店舗で買い物をしようとしたが、なぜか電子マネーの「Suica」が使えず、現金を持ち合わせていなかったため買うことができなかった。残念な話で終わらせればよかったのだが、よほど腹に据えかねたのか「速やかに撤去し業者入れ替えよ」などと過激な言葉を「ツイッター」に書き込んだため、「何様のつもりだ!」と夏野さんのツイッターが「炎上」した。
「それとも何かの利権か?」
夏野さんは2014年2月3日に自身のツイッターにこんなことを書き込み写真をアップした。
「秋葉原駅構内ホームの『ミルクスタンド』で飲み物買おうとしたらSuiCa使えず、『現金のみです』だって。速やかに撤去し業者入れ替えよ。それとも何かの利権か?」
写真を見るとどうやらJR秋葉原駅総武線ホームの「ミルクスタンド」のようだ。この店はJR秋葉原内店舗の中でも老舗中の老舗で、通勤時間帯にサラリーマンなどが牛乳とアンパンを買って立ったまま喉に流し込んでいる姿がよくTVなどでも紹介されている。「通勤途中のオアシス」などと呼んでいる人もいる。
夏野さんは現金を持ち歩かない主義なのだそうだが、「現金しか使えないから困ってしまった。不便だ」で終わらせればいいのに、「こんな店は直ぐに撤去しろ」「何かの利権か?」などと余計なことを書いたため批判が殺到し「炎上」してしまい、
「夏野剛って何様のつもりだよ!?」
「現金を全く持ち歩いていない事を棚に上げ、店が全て悪い様な言い方をしている」
「自分の思い通りにならなくて癇癪起こしている幼児と同等かそれ以下」
「若者のバカッターを笑えない慶應のセンセw」
などが書き込まれた。
Suica端末の設置はテナント負担のため費用対効果で難しい
夏野さんはこうした批判に対し、
「どうしてJR構内でSuiCa使えないと言うのが何様と言われるのか。愕然とする」
「(Suicaに)対応すれば入れ替えなくていいけど、おばさんの頑なさは感じたよ」
などと反論したが、2月4日未明に、
「もう寝ます。みなさんお付き合いありがとうございました」
と書き、この話を打ち切った。
ところで、どうしてJR東日本駅内の店舗ではSuicaで買い物ができる店とできない店があるのだろうか。JR東日本の広報に話を聞いてみたところ、Suicaが使用できる店舗の拡大に努めているけれども、端末を設置してもメリットの少ない業種やテナントの意向もあるため未だに使用できない店が残っているのだそうだ。
「Suica端末の設置費用などはテナント側の負担ということもあり、費用対効果で設置を見合わせるテナントもあるようです」
ということだった。