花粉症治療、「満足」は3分の1 医者「シーズン後も相談に来てほしい」

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   花粉症の患者さんの 7割は、本当は医療機関に不満を感じているとの調査結果が、2014年1月30日、東京で開かれた「花粉症メディアセミナー2014」で明らかにされた。

   主催した製薬企業サノフィ社が昨年12月、調べたもので、総合南東北病院の今野昭義・アレルギー頭頸部センター所長(耳鼻咽喉科)が解説を加えながら発表した。

花粉に体を慣れさせて治す治療も

   回答したのは、昨春、医療機関で飲み薬を処方された20代から60代の男女2600人。治療に「満足しており、不満はない」満足組が34%、「不満があり、満足していない」不満組が8%、中間の「不満はあるがおおむね満足している」が58%と分かれた。

   「いつも同じ医療機関で治療している」のは満足組が47%で不満組は23%。「治らないので半分あきらめながら」は満足組でも34%あったが、不満組は64%にものぼっていた。両組ともよく効いて効果が続く薬を求めているが、効かない場合、満足組は63%が「薬を変えてもらうよう相談する」が、不満組は45%にとどまった。その結果、満足組は73%が「薬が変わった」が、不満組は55%だった。

   今野さんは「治療で一番大切なのは患者さんと医師のコミニュケーション。シーズン開始前に受診した人は32%だけだったが、シーズン中は、医師は患者さんが多すぎてゆっくり話せないことが多い。シーズン前か、終わってからも来てほしい」と話した。

   セミナーでは次に関西医科大学の朝子幹也講師(耳鼻咽喉科)が、今年の花粉症の予測などを解説した。朝子さんによると、日本の森林面積の約3割を占めるスギ、ヒノキの人工林から飛ぶ花粉が原因でスギ花粉症の患者さんは小児から高齢者まで増え、すでに国民の25%に達している。今年は昨年を大幅に下回るが、発症には十分な花粉量だと注意を呼びかけた。さらに、朝子さんは今年1月に厚生労働省が製造承認したばかりの免疫療法薬も紹介した。花粉に体を慣れさせて治そうという減感作療法で、従来の注射でなく、パンに含ませて舌の裏側に毎日3分ほど置く、など家庭でもできる。年内に保険適用の予定だという。

(医療ジャーナリスト 田辺功)

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