IT企業が提供するサービスが終了するのは日常茶飯事だが、サイバーエージェントのペット育成ゲーム「ブーシュカ」の終了をめぐっては、異例の反響がよせられている。
自らが手間をかけて「育ててきた」キャラクターが消えてしまうとあって、ペットの死で悲嘆に暮れる「ペットロス」に近い書き込みに加えて、「病院では、ペットは飼えません」と、病院に入院している子どもにとっての「癒し」がなくなることを嘆く声も出ている。
「いじる」「おやつをあげる」で「成長」する
「ブーシュカ」は、ブタを表す「ブー」とマトリョーシカを組み合わせた造語で、2009年9月にサービスを開始。「いじる」「おやつをあげる」といった世話をすると新たな動作ができるようになり「成長」する。他の利用者が育てているブーシュカに「えづけ」したり、コメントを残したりして利用者同士の交流を楽しみにする人も多かった。また、仮想通貨でブーシュカの洋服や小物、成長を早めるえさを買うこともできた。
キュートな外見と「育てる」楽しみ方が好評で、有名人の中にも利用者がいた。例えば元AKB48の板野友美さんは、11年12月にブログで自分の着飾ったブーシュカを披露して
「みんなもお揃いにしてね~」
と呼びかけていた。
ところが14年1月24日、公式ブログでサービスを終了することが発表された。
「このたび検討を重ねました結果、誠に勝手ながら2014年3月24日(月)14時をもちまして、サービスの提供を終了させていただくこととなりました」
この発表文には、
「サービス終了後は、ゲームをプレイしたり、データを閲覧したりすることができなくなります」
とある。これは、これまで育ててきたブーシュカと「二度と会えなくなる」ことを意味する。それだけに反響は大きく、コメント欄には2200件以上の意見が寄せられている。
最も多いものが、
「『その時』を迎える事を思うと切なすぎます」
「アメーバにとっても大切なはずのブーシュカを、簡単に切り捨てないでほしいです。何かの形で残していただいて、いじれるだけでいいです。かわいいブーに毎日会えるだけでいいから」
といった別れを惜しむもの。ペットが飼えない環境の人にとっての影響を訴える声もある。
「ペットが飼えない人も居て色々な人が居てそれぞれに出会って 可愛がって来たブーシュカだから ホントに可愛いからお別れしたくない!」
「私が廃止反対を訴え続けてる最大の理由は、小児がんの為にベッドの上でしか生活が行えない子供さんたちの事があるからなんです。その子供さんたちは、癒やしの目的で利用しておられます。病院では、ペットは飼えません」