バレエ人口の中心は今や日本、中国、韓国といったアジア
そして、海外のコンクールに出場するためには日本国内でのコンクールで優勝するなどの実績が必要だ。そのせいもあって、コンクールの数が10年ほど前から急増し、ダンサーはそのコンクールを梯子しながら凌ぎを削っているそうだ。
日本バレエ協会によると、今や日本はバレエ人口では世界の大国であり、その後を中国、韓国が追っていて、特に韓国の伸びは著しい。
「バレエ人口の中心は、日中韓のアジアに移ろうとしています」
と打ち明ける。ただし、少子化の影響で日本ではバレエを習う子供の数が減少し、全体ではバレエ人口は横ばいだという。12年のローザンヌでは菅井円加さん(19)が優勝し、今回は長野県の高校2年の二山治雄さん(17)が優勝、2位には横浜市の高校1年の前田紗江さん(16)、6位にもモナコ在住の加藤三希央さん(18)が入りなんと入賞者6人のうち3人が日本人だった。これでさらに国内のバレエ人気が高まるのではないかと質問したところ、ローザンヌの優勝ではさほどの影響はないのだという。
「ローザンヌはあくまで若者を対象にしたコンクールで、入賞者はおそらく各国のバレエ学校に留学し、プロを目指します。ローザンヌの優勝は素晴らしい事ですが、実は、ロイヤルやオペラといった劇場は研究生をコンクールに出したがりません。従って入賞者以上のプロフェッショナルが研究生にいる可能性があり、入賞者はこれからそうした方々と競うことになるでしょう。プロとして活躍できるかは、これからなんです」