「おおちゃん」が帰ってきた【岩手・大槌町から】(31)

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歳末たすけあい運動の街頭募金で一役買うおおちゃん=2014年12月3日、大槌町内
歳末たすけあい運動の街頭募金で一役買うおおちゃん
=2014年12月3日、大槌町内

   「カムバックおおちゃん」

   被災して姿を隠していた大槌町のイメージキャラクター「おおちゃん」が、故郷に戻ってきました。昨年12月の「おおつち鮭まつり」や、今年1月の成人式に登場し、町民から大きな拍手で迎えられました。町の復興に向けて町民の心を一つにする存在になりそうです。


   おおちゃんは1994(平成6)年、全国から公募され、誕生しました。町のイニシャルの「O」と、「打ち出の小槌」を素材に、愛らしい表情を組み合わせてデザインされた男の子です。イメージカラーとして、「海と空」を表現するブルーを基調に、「自然と安心」を表すグリーン、「飛躍」を示すレッドが採用されました。

「おおつち鮭まつり」で子どもたちに囲まれるおおちゃん=2014年12月1日、大槌川河川敷
「おおつち鮭まつり」で子どもたちに囲まれるおおちゃん
=2014年12月1日、大槌川河川敷

   おおちゃんは、その後、着ぐるみも作られ、2009年の町制施行120周年記念式典で、特別住民票が交付されました。しかし、震災時、住んでいた役場庁舎が津波に襲われ、行方不明になってしまいました。

   そのおおちゃんが、秋サケ漁がピークを迎えた2013年11月末、サケが母なる川に戻るようにして帰郷しました。約2年8カ月ぶりのことです。


   おおちゃんは、2013年11月29日の記者会見に登場し、町役場から「特別住民票」の再交付を受けました。関係者によると、おおちゃんは、姿を隠していた間、全国をめぐり、支援していただいた方々に感謝の旅を続けていた、ということでした。

碇川豊町長から「特別住民票」を再交付されたおおちゃん=2014年11月29日、大槌町役場
碇川豊町長から「特別住民票」を再交付されたおおちゃん
=2014年11月29日、大槌町役場

   特別住民票の再交付時、おおちゃんは、町民課で、転入届を出しにきていた主婦佐藤智美さん(39)、佐藤さんの長男修君(6)、長女茜さん(5)と窓口で一緒になりました。修君も、茜さんも、おおちゃんとふれ合うことができて大喜びでした。それ以降、おおちゃんは町の行事に参加し、愛敬を振りまいています。

   碇川豊町長はおおちゃんの帰郷に、「町民の心を前向きにしてくれる役割や、全国の復興支援に感謝を伝える役割を担ってくれるでしょう」と話しています。

(大槌町総合政策課・但木汎)


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