「歴史的事実否定」にはセンシティブ?
「1つには、慰安婦問題そのものがなかったという内容になっていたことがあると思います。確かに、表現の自由ということはありますが、ナチスのガス室はなかったといった、歴史的事実を否定したとみなされる内容については、ヨーロッパの人たちはセンシティブになっています」
つまり、慰安婦問題の存在自体を否定したことは「ナチスのガス室はなかった」と言っているのに等しい、と主催者側は考えたということらしい。日本側の展示会場にあった説明パネルには、ナチスドイツの党章「ハーケンクロイツ」を一部で使っており、そのことも主催者を刺激したのではないかと指摘している。
ただ、外務省の文化交流海外広報課では、ヨーロッパなら物議を醸す内容ではあったにしろ、一方的に日本側の展示を撤去したことに遺憾の意を表したとした。しかし、あくまで民間ベースのフェスティバルであり、趣旨に合うかを判断するのは主催者にあるとして、抗議はしていないという。主催者については、韓国寄りではないかとの指摘があるが、外務省の担当者は、ヨーロッパの人たちの見方が入っているとしながらも、「バイアスがかかってはいないと理解しています」としている。
なお、外務省では、韓国の展示も政治的な内容を含んでいるとみており、主催者側には、これまでも再三、フェスティバルの趣旨にあった内容になるよう対処してほしいと言ってきたという。