ヨーロッパ最大級の漫画フェスティバルで、韓国が慰安婦問題をテーマにした作品を大量出品したことに対抗し、日本の民間団体が韓国の主張に反論する内容の作品などを展示しようとした。ところが、主催者側がこれらを撤去して、日本政府が遺憾の意を示す事態にまでなっている。
民間団体「論破プロジェクト」のホームページによると、2014年1月30日に開幕した仏アングレーム国際漫画祭で、韓国側の倍に当たる100点ほどの漫画を展示する準備を進めていた。
日本政府が遺憾の意を示す事態に
そして、この動きに賛同するテキサス親父ことトニー・マラーノさんとともに、展示場所近くで前日の29日に記者会見をすることにした。ところが、マラーノさん支援者のフェイスブックによると、昼食で目を離したすきに、主催者側が来て漫画などをすべて撤去してしまったというのだ。
会見を始めると、主催者側は「ここで記者会見を開く許可などしていない!」「このブースはもう終わりだ!」などと怒り、マラーノさんとともに抗議しても受け付けなかった。
この騒ぎは、産経新聞がまず報じ、主催者が漫画について「政治的な宣伝だ」と指摘したとされた。その後、共同通信なども報じて、岸田文雄外相が不快感を表明する事態にまでなった。
韓国政府の主導で、慰安婦の強制連行があったという内容の作品展示は許可されているのに、なぜ日本側の作品展示はダメなのか。
外務省の文化交流海外広報課では、作品展示が許可されていたかについて、無許可ではなく、手続きはされていたと取材に答えた。作品の撤去は、政治的な中立をうたったフェスティバルの趣旨にそぐわないとされたとしたうえで、日本側だけがダメな理由については、こんな見方を示した。