「3秒だ。野郎を倒すのも女をオトすのもな」などといった背中がムズ痒くなるキャッチコピーで知られるニューアウトロー系ファション&ライフスタイルマガジン「Men’s Knuckle(メンズナックル)」と、日本郵便が「意味不明なコラボレーションをしている」とネットで話題になっている。
この雑誌の前身はモデルに東京・歌舞伎町のホストを起用したという風変わりなファッション誌で、現在も多くのホストクラブやホスト募集の広告が出ている。こうした雑誌とのコラボは、お堅い日本郵便にとって逆にダメージになるのではないか、と心配している人もいる。
「俺は100円が惜しくて、持ち込むのではない」
日本郵便の広告が掲載されているのはミリオン出版「Men’s Knuckle」の2014年3月号で、ホスト系、アウトロー系のファッションに身を包んだ男性モデルが、
「ブランドにこだわる俺は、宅配便でさえハイブランドでキメる!」
と日本郵便の宅配便「ゆうパック」を宣伝している。また、「ゆうパック」には郵便局やコンビニなどに取扱所があり、そこに荷物を持っていけば「持ち込み割引」が適用されると紹介し、
「俺は100円が惜しくて、持ち込むのではない。俺が窓口に持ち込んでいることがリアルなんだ!」
などとモデルが決めポーズを取っている。「配達時間帯サービス」では、
「いつでも来る都合のイイ女、そして都合のイイ宅配便。全てに『俺のもの』シールを貼ってやるよ!」
とキャッチが付いている。
「Men’s Knuckle」はモデルの決めポーズやファッションのキャッチコピーが有名だ。写真の内容と連動させたもので、カッコいいのかダサいのか、微妙で、思わず吹き出してしまう言葉が超ウケている。例えば、「家が全焼しても(実話)、上品コーデ命」「セクシー過ぎるオレは暴走機関車と同じだな」「君がッ、振り向くまで、伊達ワルをやめないッ!」「くどいッ!赤パンはシャアとオレの専用だ」「ガイアが俺にもっと輝けと囁いている」などといった有名なキャッチがある。
この雑誌は10代後半から20代の「ちょいワル男子」(伊達ワル)をターゲットにしていて04年に創刊された。ホストをモデルに起用した前身の雑誌のコンセプトを引き継ぎながら「ちょいワル」ファッションを好む若者まで読者層を広げている。
「狙い通りに盛り上がってた」と日本郵便は満足げ
今回の日本郵便とのコラボについてネットでは、「意味が分からない」という声が多く、
「これは笑えばいいの?」
「女の企画かな。ホント民営化なんてするもんじゃねえわ」
などといった批判や、
「ワロタwこういうアホっぽいの大好き」
といった意見も出ている。
どうして「Men’s Knuckle」とコラボをした広告を作ったのか、日本郵便の広報に話を聞いてみたところ、まず、20代を中心とした若者に「ゆうパック」をもっと知ってもらい使ってもらいたいという思いがあったのだという。これまでも「ゆうパック」は女性雑誌などにその雑誌のモデルを使って「ゆうパック」はどれだけ便利で使いやすいかという広告を出してきた。今回、男性をターゲットにした広告を考えた時に、一般の人はあまり読まないような尖った雑誌「Men’s Knuckle」に行きついたのだという。
「話題作りといいますか、まさか日本郵便が!?というインパクトが欲しかったんですね。この広告が出てからネット、SNSがこの話題で盛り上がっていて狙い通りの結果が出ていると思っています」
と明かした。今のところは大成功、という感じでとらえられているようだ。