託児所つきの風俗店が「セーフティネット」 クロ現「シングルマザー」貧困特集に大反響

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「水際作戦」批判しないと「生活保護利用できないと誤解する」

   ただ、番組が重要な点を見落としているという指摘も出ている。風俗業から一度は別の仕事をしていた女性が、再び風俗店の従業員になろうとするエピソードで、ナレーションでは、

「生活保護を申請したが、『生活状況を細かく調べるのに時間がかかる』と言われ、断念した」

と説明している。ところが、この女性はVTRでは、

「市役所にいくら通っても『申請するまで2か月かかるよ、3か月かかるよ』って。待ってるわけにはいかないじゃないですか」

と述べている。ナレーションでは申請は行われたと説明しているが、女性の発言を文字通り受け止めれば、申請することすら断念したように理解できる。

   ホームレスや生活困窮者に対する自立支援を行っているNPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」のブログでは番組そのものは、

「若年の単身女性やシングルマザーの貧困の実態を丁寧に描いた良質なドキュメンタリー」

だと評価するものの、今回の女性のケースは、生活保護を申請しようとする人を福祉事務所が窓口で追い返す違法な「水際作戦」にあたるとみている。番組では、福祉事務所の対応が違法だとして批判することはなかった。そのため、「もやい」のブログでは、

「そうした(編注:現に生活に困窮している人や、これから困窮する可能性がある)方々がこの番組を見た場合、『生活保護の申請に時間がかかる』という役所の説明を信じてしまい、生活に困窮しても生活保護制度は利用できないと誤解してしまうのではないでしょうか」

と疑問を投げかけている。

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