文部科学省が学習指導要領の解説書に島根県の竹島(韓国名・独島)や沖縄県の尖閣諸島(中国名・釣魚島)について「我が国固有の領土」と明記したことについて、中国と韓国が反発している。
中国側の反応はある程度抑制的なのに対して、韓国側の反応は「即時撤回しなければそれ相応の措置をとる」と激烈だ。韓国メディアも政府を焚き付ける形で、日韓関係が「破局」に向かうと煽っている。
YTN東京特派員「安倍政権が独島に対する領土野心を如実に表した」
解説書の改訂内容は2014年1月28日発表された。例えば高校の「地理B」では、北方領土、竹島、尖閣諸島について「我が国の固有の領土」と明記。中でも尖閣諸島については「現に我が国がこれを有効に支配しており、解決すべき領有権の問題は存在していない」、竹島については「韓国によって不法に占拠されているため(中略)韓国に対して累次にわたり抗議を行っていることなどについて我が国が正当に主張している」といったことについて、それぞれ「理解を深めさせることが必要である」という記述が加わっている。従来の政府見解がそのまま反映された形だ。
この解説書は学校での指導や教科書編集の指針として文科省が作成しており、今後改訂される教科書の内容にも反映される見通しだ。
韓国側の反応は素早く、1月28日中に外務省が別所浩郎駐韓日本大使を呼び出して強く抗議し、報道官は改訂の即時撤回を要求。応じない場合には「それ相応の措置を断固としてとる」とまで警告した。
メディアもきわめて悲観的な見通しだ。YTNテレビはスタジオのキャスターが、
「安倍晋三首相の靖国神社電撃参拝以降ゆがみにゆがんだ韓日関係は破局に突き進むだろう」
と前置きした上で、東京特派員が
「安倍政権が独島に対する領土野心を如実に表した」
「(日韓関係は)これまでになく大きな荒波の中に突っ込んで行くことになる」
と伝えた。
大手通信社「ニュース1」も、同様の論調だ。
「安倍晋三首相の靖国奇襲参拝で薄氷の上を歩いてきた韓日および周辺国の関係は破局に向かうだろう」