NHK経営委員で作家の百田尚樹さんが2014年1月29日、ツイッターで朝日新聞の編集委員にかみついた。
百田さんは27日に「きれいなオネエチャンを食べたい!」とツイートしたが、その発言をNHK経営委員批判の文脈で使われ、「どんな軽口さえも攻撃の糸口にしようという執念はすごい」と皮肉交じりに怒っている。
「日本語表現があまりにお粗末」
NHKの籾井勝人新会長が1月24日の就任会見で、従軍慰安婦問題について「どこの国にもあったこと」などと述べ、大きな議論を呼んでいる。この発言について、NHK経営委員でもある百田さんは27日、
「毎日新聞では、籾井氏の発言に対し、『経営委員側からは「外交問題に発展しかねない。選んだ側の責任も問われる」と失望の声がもれた』とあるが、少なくとも経営委員である私は何も言っていないぞ。誰が失望したんや!名前書けや」
と、怒りのツイートをした。
翌日に経営委員会を控えていたが、百田さんはインフルエンザで体調を崩していた。
「明日はしんどくてもNHKの経営会議に出席する!籾井会長を非難する経営委員が誰なのかを、この目でたしかめないとあかん」
ただ、「インフルエンザのお陰でほとんと食欲がない(涙)」といい、「せめて、きれいなオネエチャンを食べたい!」と発言した。当然なことながらジョークだと思われる。
この発言を受けて、朝日新聞の社会部記者を名乗るツイッターアカウントが28日、
「『きれいなオネエチャンが食べたい』と豪語する百田尚樹氏、慰安婦は世界中どこでもいたと個人的会見をひけらかす籾井会長、さらに“夫は外、妻は家”と、女性の社会的進出を拒む長谷川三千子氏。安倍政権下のNHK経営委員ってどうなってるの」
と発言した。
このアカウントは「認証済み」で、朝日新聞社のサイトにある「ツイッターアカウントを持つ記者一覧」からもリンクされている。このツイートに百田さんは、
「こういうのは『豪語』とは言わない。朝日新聞の記者らしいが、日本語表現があまりにお粗末」
とかみついた。
「編集委員よりもオネエチャンを釣り上げたい!」
その後今度は、記者とは別の朝日新聞編集委員のツイッターアカウントが、記者の発言をリツイートしながら、
「彼らが安倍首相の言う『中立、公平』な人々。彼らへの批判は『政治的な圧力』。嗚呼『美しい国』日本!」
と紹介した。このアカウントもまた「認証済み」で、朝日新聞のサイトからリンクされている。
NHK批判、ひいては安倍政権批判の文脈で引用されたこともあり、百田さんは、
「朝日の記者は『きれいなオネエチャンを食べたい!』という言葉に異様に反応するなあ。どんな軽口さえも攻撃の糸口にしようという執念はすごいとも言えるが」
と発言した。非難するのならば「ツイッターの冗談」の揚げ足を取るのではなく、より本質的な批判をするべきだとし、
「釣竿も釣り針もないのに、糸をたれた途端、大物がどんどん釣れるとよく言われます。でも、朝日新聞の編集委員なんかよりも、きれいなオネエチャンを釣り上げたい!」
と挑発気味に「対決姿勢」を露わにした。
なお、記者のアカウントはプロフィール欄で「発言は個人の責任で社の見解とは無関係です」、編集委員も同様に「投稿は朝日新聞を代表しません」としている。